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昨夜は散々久弥を愛した。
久弥が素直に甘えれば甘えるほど、嬉しい反面、その様子が痛々しく感じられ、複雑な思いに駆られる。
「笹井くん、ちょっといいかな?」
久弥とーーー気に食わないがーーー仲のよい笹井くんを、小会議室に呼び出す。
急な呼び出しに、しかもわざわざ二人きりの空間に、いつもはお調子者の笹井くんも少し緊張しているようだ。
「悪いね、忙しいところ。
ちょっと聞きたいんだけど、桐島くんと霧島課長って、上手く行ってないのかな?」
「え? 課長たちですか…?」
俺の言葉は予想外だったのだろう、笹井くんはポカンとしている。
「うん。
霧島課長は普通に見えるけど、最近の桐島くんはちょっと疲れて見えるから。
なんとなくだけど、霧島課長が苦手なのかなって思ってね。
本人達の問題とは言え、仕事に支障がないかだけ、知っておきたくて」
本当は根掘り葉掘り聞き出したいのをグッと堪え、あくまでも部下を思いやる上司を演じる。
笹井くんが言い辛そうに口を開いた。
「あ゙~…、確かに、苦手そうにはしてますけど、本人からは何も…。
あくまでも噂ですけど、セクハラっぽい事されたとか。
肩触られたり。
噂ですよ!? 俺も見たことないですし。
ただ、部長もよく俺らの頭触ったりするじゃないッスか?
あれはスキンシップっていうか、別に誰も嫌がってないし…。
それとどう違うかって言われると、同じような違うような…」
そりゃそうだ。
俺はスキンシップが平気な相手と苦手な相手と、ちゃんとわかってやってる。
が、肩を触られたくらいで久弥があんなに嫌うはずがない。
きっと、何かされたか、何か感じ取ったか…。
「そうか、ありがとう。
仕事中に悪かったね。
悪いついでに、ちょっと気を付けて見ておいてくれるかな?
何かあったら、些細な事でも教えて欲しいんだ。
部署内のトラブルは、避けたいから」
“部長”としてのお願いである事を強調し、笹井くんを解放する。
さて、来週の出張の間は、どうしようか?
俺は不在時の対応に悩まされるのだった。
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