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「やめろ! 触んな!!」
15階に辿り着くと、階段脇のトイレから久弥の声がした。
驚きのあまり心臓が止まるかと思った。
トイレへ駆け込むと、霧島課長が久弥を捕らえている。
身体中の血液が沸騰するほどに、ぐらぐら沸き立つ。
霧島課長の腕を掴み、捻り上げた。
「無理強いは感心しないなぁ~」
拘束が解かれ、俺の声を聞いた久弥が、顔を上げた。
「いつ…きさん…?」
「部長!!」
霧島課長も痛みと驚きとで、声を上げる。
霧島課長を右手で捉えたまま、久弥を左手で抱き寄せる。
「霧島課長?
恋愛は自由だけどね~、無理強いはダメだよ~?」
久弥を怖がらせたくなくて、殴り飛ばしたい衝動をなんとか堪えるが、顔のひきつりは抑えられない。
ちょうどその時、笹井くんが階段を登る足音が聞こえたので、2人にはフロアに行っていてもらう。
改めて霧島課長へ向き直る。
霧島課長は何か言いたげに口をパクパクしているが、恐怖で言葉にならないようだ。
まあ、言い訳も謝罪も聞く気は無いが。
「霧島課長、私は結構独占欲が強いんだ」
口角だけ上げてニィっと笑うと、霧島課長はガクガク震え出した。
「久弥は私のモノだから、手を出さないでね?」
「え…?
桐島くんの…恋人って…?」
霧島課長の顔がどんどん青ざめて、呼吸も荒くなっていくが、そんなの知ったこっちゃない。
「腹に力入れてな」
精一杯の優しさで、予告だけはしてやる。
胸倉を掴み上げ、腹に拳をめり込ませると、霧島課長は腹を抱えてその場に崩れ落ちた。
人なんて初めて殴ったが、昔ゲーセンにあったパンチのヤツ、得意で良かった。
「久弥には二度と触れるなよ。
それと、俺たちが帰るまで、フロアには来るな」
冷たく言い放ち、フロアへと足を向けた。
フロア前までくると、2人の笑い声が聞こえる。
久弥の様子に安堵する一方で、笹井くんに嫉妬してしまう。
今夜は、俺の腕の中で、幸せの笑みを浮かばせてやろう。
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