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8話 代償の報酬①
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オレは今喫茶店にいる。今風の洒落た感じではなく、革張りの椅子に木目のテーブル。ジャズ(?)のような音楽が流れていたり、鳩時計や自転車のタイヤみたいなのが飾られていたりと少し昔の雰囲気の店内だった
「どうぞ。ミルクはいるかな?」
「ありがとうございます…?」
この店の店長さんなのか白髪の人がオレが座っているテーブルの反対に座った。コーヒーも置かれてミルクはいらないと返した。ガムシロップや角砂糖だけでも十分だ
「マスター! 連れてきたよ!」
「…ぁ、親父!」
「俊哉!!」
扉が開けられて入ってきたのはあの夜、ホテルで仕事をしていたときに突然邪魔をしてきた男の人。その後ろには親父がいた
「こんな仕事は終わりだ」と男の人はそう言ってオレをお客から無理矢理引き離した。仕事の邪魔をしないでと抵抗するけど「じゃあ、このままどこの馬の骨か知らないやつに身体を売り続けるのか?」と言われた
確かに嫌だけど、でもそうしないと借金が返せない。その借金が何だったのかは忘れたけど…売りたくなくても売らなければいけない
「安心しろ。借金なんかとっくにねぇよ」
最初は言ってる意味がわからなかった。身体を洗われている間、男が簡単に説明をしてきた。田嶋様がやっている仕事は所属している組が禁止していることだと。組長が怪しんでいたが、証拠が無いため中々罰を与えることが出来なかったと
そんなときにオレの「お礼」の仕事。寄付してくれている人たちに犯される仕事のときにこの人は紛れ込んでいて、完全に違法だと分かると準備を整えて今日動いたという
もう、こんな地獄から解放されるのかと本当なら喜ぶのだろうけど、セックスが気持ち良くて楽しい時間がなくなるのは悲しかった
1週間経って今日、この喫茶店に案内されたわけだが。なにを話すのかオレには分からない
「さて、話に入る前にまずは家の組員のせいで辛い思いさせて悪かった」
「ぇ…あの…あなたが謝ることじゃ…」
老人が何故かテーブルに頭を付けて謝ってきた。突然のことで理解が追いつかないオレは置いてけぼりだった
「私は小船久仁夫と言って、今はこの喫茶店のマスターをやっていてね。でもその前は秋山組の組長をやっていたのだよ」
「っ……な、なんでそんな人が謝って…?」
自己紹介をした小船ってじいさんは、前は組長だったって聞いて緊張してきた。今は組とは関係ないというけれど、現組長さんとは度々連絡をしているとか。その一つが今回の田嶋様の件らしい
「まず夏樹くんの借金のことだけどね。返済はとっくに済んでいるのだよ」
「え……い、いつ…?」
「君が身体を売り始めて3ヶ月だ」
「そんな………早くに……?」
「つまり、お前はとっくに返済も済んでいながら田嶋のごみクソの資金源にされたたってわけだ」
まさかそんな早くに借金が返済できていたなんて驚いた。それから何ヶ月も身体を売って売って売り続けて…もはや借金のためなのか田嶋様の為なのか、快楽のためのか分からなくなって。しまいには股間も男から女にされて、性奴隷として堕ちるほうが楽で人間を辞めようと思って恥かしいことだって気持ちよくなってきたのに
それまでの苦労が意味のないものなる
「俊哉……すまない。父さんの所為で」
「ううん……親父の所為じゃないって……言ってる、だろ…」
「………気持ちは察するよ。でも話はまだあるんだ」
「………え?」
これまでオレがどれだけ抱かれて、汚れて、堕ちてきたのかを今更になって理解すると悔しくて仕方なかった。女の子と付き合って苦労して育ててくれた親父を安心させてやろうと思っていたのに。いまじゃ男が好きで、ちんこなしじゃ生きられない身体にされてしまった
恥辱と屈辱、そして落ちないシミ汚れのように付いた汚い身体じゃ普通には生きられない。言葉通り男でなくなったオレは悔しくて涙が止まらなかった
小船さんは間を置いてから、オレと親父の今後の話を続けてきた
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