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6、計画のための準備 真人side
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梓馬様が学校に行かれてから、
俺は別院の中で仕事をしていた。
仕事といっても俺の場合は計画のための準備。
もちろん執事としての仕事もしながらの。
昼頃、
俺は梓馬様の兄である和人様のお部屋に向かうために本院に向かった。鷺宮家に来た時は軽くご挨拶しただけだったから、詳しい話や梓馬様のお話は出来なかった。
和人様のお部屋の前に立ってノックをする。だが返事が無い。すると、近くから声がした。
「和人様に御用ですか?雪見さん」
「あっ、如月さん。…はい、和人様とお話をしたくて」
如月さんは和人様専属の執事だ。
彼は俺の先輩で、分からないことも教えてくれる。とても頼りがいのある方だ。
「そうですか。しかし和人様は今、お仕事で外出されています」
外出されているなら仕方ない。
夜に来るか。
「そうでしたか。失礼しました。では夜にまた伺いますね」
「はい。和人様にお伝えしておきましょうか?」
「あ、いえ、大丈夫です」
「分かりました。では」
「はい。失礼します」
俺は和人様の部屋を離れ、本院を出た。
そして別院に戻って、使用人室に向かった。
「雪見…さん?」
「?…あ、あぁ、貴女は確か…咲宮さん」
「はい、咲宮です」
「どうしました?」
咲宮さんは家政婦だ。梓馬様にお仕えしている家政婦の1人。今までは家政婦の方々が梓馬様の身の回りのお世話をしていたのだろう。
「あ…///梓馬様のことで、何かあったら相談してください、ね///」
「はい、ありがとうございます」
「いえいえ///」
笑顔を見せると、咲宮さんは顔を赤くした。
俺は恋愛をしにここに来たのではない。
たとえ相手が女性だろうが男性であろうが、
俺には関係ない。
「梓馬様のお迎えがあるので失礼します」
「あっ、はいぃ///」
俺は咲宮さんの横を通って玄関先に向かう。
梓馬様のご命令通りに。
……そろそろお帰りになる時間。
玄関の扉が開く。
「梓馬様、お帰りなさいませ」
「ただいま、雪見。ありがとう」
「いえ」
出迎えをして俺は夕食の準備をしに厨房へ向かった。料理をテーブルに並べ、主を呼びに行く。
「夕食の準備が出来ました」
「分かった、今行くよ」
食堂に向かい、梓馬様の着席をサポートした。
夕食を終えて彼がお部屋に戻ったのを確認した俺は、もう一度和人様のお部屋に向かった。
別院を出て本院に向かう。
和人様のお部屋の前に立って、3回ノックする。
「はい、どうぞ」
「失礼いたします」
「君は確か…」
「梓馬様専属の執事、雪見と申します」
「雪見くん。どうしたの?」
「お初にお目にかかった際は簡単なご挨拶しか出来なかったので、和人様ご自身のことや…梓馬様のことを教えて頂きたく参りました」
「そっか。いいよ、話ならいくらでも」
「ありがとうございます」
「雪見くん、下の名前を聞いてもいい?」
「えぇ…真人です」
「真人…か。良い名前だね」
「梓馬様にも仰って頂きました」
「そうか、梓馬も良い名前だと思うんだけど、あいつはそうは思わないみたい」
「そうなのですか」
「うん。…梓馬の話になったね(笑)俺は鷺宮グループの現当主。父さんは俺の補佐をしてくれてる」
「旦那様はまだお若いのに、なぜ和人様が当主になられたのですか?」
「…それは、ある男からの言葉でね」
俺はその男の名を知っている。
なぜか。…俺が言ったからだ。
和人様は俺の事を気づいていないのか、
それか気づいていて敢えて知らないふりをしているのか。どちらにしろ、和人様も利用する。梓馬様だけでなく和人様にも罪を犯そうとする俺は、最低どころの話ではないだろう。
「そうですか。その方はきっと、和人様に惚れたのでしょうね」
そう言って、俺への信頼度を上げる。
「それはどうだろう(笑)まぁ俺は女性にモテたいからお断りかな(笑)」
「(笑)では梓馬様のお話をお聞きしたいです」
「うん、いいよ」
俺は和人様に、梓馬様(ご主人様)の話を聞いた。
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