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13、初めての「特別」 梓馬side
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翌日、僕は雪見の声で起きた。
「梓馬様、ご起床のお時間です」
「…んん…おはよう」
「おはようございます」
雪見はこうして僕を起こしに来てくれる。
これからも毎日起こしに来てくれるといいな。
起こしに来る事も、見送りする事も、出迎える事も、雪見が全部してくれる。厨房メイドは食事を作り、家政婦は別院の掃除や衣服の管理などをする。今まで、使用人の雇用は家政婦長がやっていたけれど、今は雪見がいるから彼の担当だと思う。
「梓馬様?」
「ん、あぁ、ごめん、ちょっとボーッとしてた」
「大丈夫ですか?」
「うん、大丈夫。朝食行くよ」
「かしこまりました。失礼いたします」
ボーッとしてたのはその通り。だけど僕は彼、雪見のことを考えていた。彼が僕の執事で居てくれるなら、彼のために頑張ろうと思った。
「今まで執事なんて居なかったから、雪見を特別扱い…なんてするかも」
特別扱い。
自分で声に出すと、
本当に彼を特別扱いしていそうな気がする。
彼なら…雪見なら…
「お待たせ、雪見」
「こちらにどうぞ」
「うん、ありがとう」
僕は朝食を食べた。やっぱり厨房メイドたちが作る食事は美味しい。それに、雪見が持ってきてくれるから余計に美味しく感じるのかな。
「美味しかったよ、今日も頑張れそうだよ」
「そうですか、それは何よりです。頑張ってくださいね」
「うん。雪見も、頑張って」
「はい、ありがとうございます」
平静を装ってたけれど、雪見は驚いたと思う。
僕が雪見に頑張ってって言ったのは初めてだから。雪見の笑顔が見てみたい、そう思うようになった。
制服に着替え、カバンを持って玄関に向かう。
「梓馬様」
「雪見、行ってきます」
「お気をつけて行ってらっしゃいませ」
雪見に見送られて、僕は学校に向かう。
瑞貴を雪見に紹介したいな。
「鷺宮、おはよう!」
「速水先生、おはようございます」
「お前、最近、気分がいいようだな?」
「そうですか?…まぁ良くないといえば嘘になりますね」
「そうかそうか!それは良かった!さ、教室行けよ」
「はい、では」
本当に雪見の事が好きなのかもしれない。
体の相性はいいと思う。まだ僕の体を愛撫してくれてるだけだけど。僕も雪見の体を愛してみたいな。
「梓馬、おはよー!」
「瑞貴、おはよう」
「なんだよ、なんかお前、今日ニヤニヤしてねぇか?」
「え?そうかな?ちょっと、執事のことを考えてたんだ」
「そうなのか、そいつに会ってみたいな」
「本当?瑞貴に会わせたいなって思ってたんだ」
「本当か!?それは嬉しい!いつ会わせてくれるんだ?」
「んー、近いうちにね」
「案外、今日だったりしてな(笑)」
「それは…どうだろう。まぁ呼ぶことは出来なくないけど、放課後、夕方なら大丈夫かな」
「おぉ、楽しみだ!今日は俺な。あと今回はイってくれよな?」
「うんっ、約束してたからね」
「よっしゃ。じゃ、頑張ろうぜ」
「うん、頑張ろう」
僕は授業を受けた。
昼休みの時、雪見に連絡を取ろうかな。
会わせたい友人がいるから、
夕方に学校の校門に来てって。
うん、そうしよう。瑞貴、喜んでくれると嬉しいな。
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