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19、近づく確信 真人side
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「……梓馬様、ご起床のお時間です」
「…んん……ん……んぁ…雪見…おはよう」
「よく眠れましたか?」
「ふぁぁ…うん、よく眠れたよ」
「なら何より。朝食の準備は出来ております」
「ん、ありがとう…」
俺はいつも通りご主人様を起こして、
いつも通りご主人様をお見送りする。
梓馬様の行動は俺を怒らせたが、
あくまで俺は執事だ。
執事として、ご主人様の意思に従うのが当然。
「雪見、行ってきます」
「はい、お気を付けて行ってらっしゃいませ」
お姿が見えなくなったのを確認してから、
俺は使用人部屋に向かった。
「雪見さん」
「はい」
「昨夜、和人様がこちらにいらしたそうですね」
「はい。それが何か?」
「雪見さんに御用がおありだったのですか?」
「いえ、梓馬様です」
「あぁ…そうなのですね。梓馬様の拠り所は和人様しか居られないですし…昨夜はとても良かったのではないでしょうか」
「そうですね、私は梓馬様の執事としてご意志に従うだけです」
「…素敵ですね、雪見さんは」
「…そんなことありませんよ、当然の事ですから。…ではそろそろ戻ります」
「あ、はい。……素敵だと思うんだけどなぁ…」
あくまで俺は梓馬様の執事。
そう、執事なのだ。
俺は執事としてお慕いし、
執事として怒る、喜ぶ、悲しむ、楽しむ。
たとえ俺を傷つけるようなことでも、
梓馬様が幸せで笑顔になられるなら
俺はそれでいい。
梓馬様の執事は俺だけでいい。
……あの日が来るまでは。
俺は別院の見回りなどの仕事をして、
梓馬様のお帰りを待っていた。
(……そろそろか、お迎えしないと)
俺は玄関に行き、ご主人様を待っていた。
「…ただいま……」
「おかえりなさいませ。…梓馬様、お辛そうなお顔をなさっておられます。何かあったのですか?」
「……雪見…ごめん…夜に話す…」
「かしこまりました」
お辛そうなお顔をなさっている。
何があったというんだ。
……まさか、男に何かされたのか…?
…もしそうだとしたら…許さない。
俺のご主人様を傷つけた奴を…輩を……。
「梓馬様、夕食のお時間です」
「……食欲無い」
「…そうですか、では軽い食事をお持ちします」
「……要らない…メイドたちに伝えて」
「…梓馬様」
「……雪見」
「…………かしこまりました」
食欲が無い…それほどのことがあったのか。
……許せないな。
ご主人様をこれほど傷つけた奴…。
俺はメイドたちに、梓馬様がいつでも食べられるようにしておくようにと伝え、片付けさせた。
食欲が無いとはいえ、お召し上がりにならないと俺が困る。それに、もしかしたら食べたいとおっしゃるかもしれないからだ。
「……梓馬様、私です」
「…入って」
「失礼いたします」
俺は梓馬様のお部屋に来た。
いつものアレをするため、そして、
何があったのかをお聞きするためだ。
執事として、出来ることをしたい。
「……辛い…怖い…」
「…何があったのですか?もちろん無理にとは言いませんので、梓馬様が宜しければ、私にお聞かせ願えませんでしょうか…?」
「……うん、話す…でも…辛くて……」
「そうですか。いかが致しましょうか、本日の愛撫は無しで…?」
「…ううん、愛して…雪見しか居ないから……」
「かしこまりました。……では愛撫を始めさせて頂きますが、よろしいでしょうか」
「…うん」
「無理はなさらず。やめたい時は遠慮なく仰ってくださいね」
「うん…ありがとう…」
俺は梓馬様の服と下の履物を脱がせた。
…少し震えてらっしゃる。
これは激しくするのはやめた方がいいな。
優しく包み込むように、だな。
「では始めますね」
「ん……お願い……」
梓馬様への愛撫を始めた。
…何があったのか気になるが、今は愛撫を優先させるべきだ。
梓馬様を…癒して差し上げたい。
梓馬様を…愛して差し上げたい。
そして…いや待て?
…なんだ、この気持ちは…。
何を言ってるんだ、俺は執事だぞ。
執事である俺が、
こんな思いを軽々しく思ってはいけないのだ。
目的があるんだ。
あいつに復讐するため、ここに来た。
だというのに…。
あぁもう!梓馬様を見てると心がおかしくなる。
とりあえず…愛撫に集中するか。
よく分からない感情を、頑張って抑えろ俺!
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