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ブランク
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「カノル、君の鼓動が聞きたい。」
「ふーん。それって、俺の心臓の音聞きたいだけ?それともセックスしたいの?」
ドストミウルは答えずにゆっくりと近づいて来た。
ベッドの上、寝ようと腰かけていたカノルのほほに指をかける。
「君を孤独にした、私はきっと君の心を裏切った。私は君を愛すると誓ったのに、君を傷つけるような結果を残してしまった。恨まれても嫌われても仕方の無い事だと思っている。だが...」
ドストミウルはこちらを真っ直ぐと見つめていた。
「今でも私を愛してくれているかね。」
カノルはしばらくドストミウルを見つめ返していたが、ふっと視線を反らせた。
「嫌いになってたら、こんなボロ屋敷でずっと待ってねえっての...」
ドストミウルは困ったように照れるカノルの顔を覗き込んだ。
「愛しているよカノル。あの日誓った永遠の愛はひとつも私の中で揺らぐことは無い。君が死のうと私が滅びようとこの愛は永遠だ。」
「...わかったからそういうの。」
「君を抱きたい。」
率直な言葉に、カノルは目を合わせずに頷いた。
広いベッドの上、むき出しの肌を覆うのは冷たい骨と古びたマント。
口元に寄るのは鋭い牙と、おびただしい数の舌。
この異形の相手に嫌悪のひとつどころか、安心感すら覚える俺はきっと相当イカれている。
首筋、肩、胸をくすぐられるように舐められてから、必要に乳房を捏ねられる。
時々当たる牙が名を刻むように肌に赤い筋を残してゆく。
少しずつ熱が上がるを感じる。
湧き上がる感情でキスをねだると、口の端から端まで覆うほどの舌に攻められる。そのひとつを舐め返そうと口を開くと隙間を割り一瞬で口腔内は支配されてしまう。
苦しさと嬉しさで目がくらむようだったけど、自らの体がしっかりと興奮を覚えているのが分かった。
細く小さな触手が入口を軽く撫でてから、ゆっくりと入ってくるのが分かった。久しぶりの感覚に身体は大袈裟に跳ねた。
「痛いかね。」
「へいき、だから。早く入れて。」
「だが久しぶりの行為だ。ゆっくりと慣らさなくては...」
カノルは耳まで赤くして、酷く苦しそうにこちらを見つめていた。
「ずっとしたかったのに、お預けくらってた俺の気持ち分かる?」
そう言ってからカノルはとても恥ずかしそうに顔をしかめて視線をそらした。
「痛かったら言いなさい。」
ドストミウルはいつもの大きさを作ると、小さな触手が抜けた場所にあてがった。
そしてそのまま勢いよく暖かい身体に突き立てた。
「ああぁっ!!」
カノルは久しぶりの快感に全身を貫かれるようだった。身体はびくびくと震え、頭の中が真っ白になるほどの気持ちよさに襲われる。
ドストミウルは欲張るようにもう少し奥に押し込むと、たまらないとでも言うようにそこを締め付けられる。
「あん、待って、こんなんっ...」
「大丈夫かね、カノ...」
「あっ、ひゅぐぅううっ!!んああああああぁぁぁ...」
一度深く付いただけだというのに、カノルの身体は限界に達し快感を勢いよく吐き出していた。
「違っ...はっ、こんなの、だって...」
カノルは恥ずかしいのか顔を腕で覆い隠していた。
ドストミウルはその腕を優しくよけ、カノルの顔を抑え込むように覗き込んだ。
少しの刺激だけで限界を迎えたまだ熱い恋人の肌を優しくなぞる。それだけでも時々ぴくりと反応する身体はきっとこの時をずっと待っていてくれたのだと思わせる。
「こんなになるまで我慢していてくれたのだな。」
「ちがっ...これはぁっ...」
荒い呼吸のまま、言い訳でもするように困った顔で彼は言った。
「愛しているよ、カノル。」
耳元に口元を近づけ犯すように舐めながらそう言うと、その身体はまたぴくりと跳ねるように動いた。
「君の身体が私をよく思い出すまで、今日は何度でも愛し合おう。」
恥ずかしさに項垂れていたカノルはひとつしかない目で、ドストミウルを見つめた。
ずっと求め続けていたものを久しぶりに得られ心も身体は満たされていた。先程達したばかりで疲労を感じてはいたが、心の奥底ではまだ彼を求めていた。
空白のときを埋めるほどの、愛の過剰供給を。
ああそうだ。壊れるほどに思い出させてくれ。
「忘れた事なんて無いけど、ね。」
カノルは嬉しそうに目を細めながらそう言った。
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