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星空を見上げて
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「カノル、こんな所でさぼっているのかね?」
「今夜は星が綺麗だからね。」
部屋を出てから階段を登ると、広い廊下の先には絵画のように大きい枠の窓がある。カノルはその広い窓枠の端に腰掛けていた。
とうに割れてしまっているその窓からは星がよく見えて気に入っていた。
「アンタは何?暇な訳?」
「仕事が一段落ついたのでね、君の顔でも見ようと思って。」
「じゃあ他の仕事でもしてろよ。」
そう横目で睨んでも、ドストミウルはゆっくりと近づいてきた。
「確かに、いい夜だな。」
カノルに体を寄せてドストミウルは割れた窓から星空を眺めた。
「ヂャパスの爺さんにさぼってた事告げ口する?」
「いいや。仕事を放ったらかしにしているなら...君に別の仕事をさせればいい。」
ドストミウルは座っているカノルの腰に手を回した。
「夜中はやめろって言ってるだろ、イフが来るかもしんねえし、ビアリーだって...」
ドストミウルは口元をカノルの唇に押し付けた。
カノルは少し眉をひそめると、ドストミウルの口枷をずらした。
露わになった鋭く不揃いな牙とその隙間からうねる無数の舌に、小さく口元を寄せた。
「おしまぃ...」
「では使用人の仕事に戻るかね。」
「それはー...どうしよっかな。」
ためらいを見せたカノルの顎を細い指で掴むとその唇を割り、数本の舌を潜り込ませる。
「んんんっ!?」
広い窓枠部分に寝かされるように押し倒されながら、口腔内を掻き回される。苦しさとぬるりとした感覚に襲われてもがこうとしても体を押さえつけられ逃れることは出来ない。
口の端から余る粘液が垂れる頃には、心拍数が上がっているのがよくわかった。
ドストミウルは口元を離した。
「強姦じゃねえか、変態野郎。」
「こんな体で掃除の続きができるか?」
熱っぽくなった首筋を舐められると、ビクリと体をすくませた。
「マジで、止めとけって...こんな所じゃ。」
「ここじゃなければ良いと?」
「違う」
「君の練習場に入ろうか。」
「俺の空間を汚そうとすんじゃねえ。」
ドストミウルはなんでもないようにカノルの腰のベルトを外した。
「あのなぁ!」
そう言って押しのけるよりも素早くドストミウルの触手がズボンの隙間から滑り込んだ。
「てめぇな!...待って、って...」
「直ぐに済ませればいい。」
枝のような細い指でも力は強力でおさえつけられれば抵抗する余地もなく、すぐにいつものようにナカを犯される。こんな所で声を上げることだけは防ごうと歯を食いしばって気持ち良さと戦った。
最初は細いまま入ってきたものの、徐々に大きくなり周囲を押し広げてゆく。準備も覚悟もせずにまさぐられ腰から背中にかけて淡く痺れるような感覚が走る。
それからいつもの大きさになるとゆっくりと動きを早め、敏感な部分を繰り返し刺激し始める。
いい所を何度も突かれてイきそうになると焦らされる、それを繰り返されて理性を持っていかれそうになった。
「やめ、て...早くするって言ったじゃんか」
熱っぽく潤んだ目で見つめられて、ドストミウルは余計に意欲を掻き立てられていた。
「そうだったかな?」
ドストミウルはカノルの体の向きを変えうつ伏せにし下着ごとズボンを下ろすと、背中にのし掛かった。
そうしてからまた深く触手を突き立てた。
先程より太く長くなったそれは動く度に内壁の全て触覚を刺激する。引き抜く時も同様に触れた部分を全てを引きつけて快感を誘う。
「ひゅぐうぅ...」
カノルは耐えきれずに情けない声を出した。
「後ろからはあまりしないから、慣れない所に当たるかね?」
「だめ、だって...もう、許してよ...」
「カノル...」
また深く押し込めると限界の近い体がびくびくと震えた。背から見る彼の耳には自分があげたピアスが所有物であると主張するように光る。顔を寄せ首元を舐めると中がぐっと締まるのが分かった。
耐えきれない感情に任せて背中に歯を当てるとほのかに血が滲んだ。
「痛いってぇ...お願いだから、もうイかせて」
縋るような小さな声に彼が弱き異種である事を再認識した。壊そうと思えば簡単に潰れてしまう体を、優しく抱え込んで自らの手で快楽を与えて悦ばせては屈しさせるのだ。
支配欲とも言える熱情を背に張り付かせ、儚く愛しい身体を味わう。肌の色、息づかい、汗、熱、拙い感触から伝わる彼の全てが、永い年月で冷たくなったはずの欲を何度でも沸騰させた。
「んぐっううっ!!」
食いしばっていた歯の隙間から耐えきれず声を漏らせて身体が震えさせた。前から溢れた夜露を違う触手で包むように取り込む。
噛み付くように強く締まっているのをまじまじと見つめて、ドストミウルは至福を感じていた。
「...つはぁ、はぁ。ぼーっとしてねぇで...はやく抜けよ。」
「離してくれないのは君の方だ。」
「あ、っのなぁ...。本当にぶん殴るぞ。」
伏せたまま真っ赤な顔で睨まれても凄みも恐ろしさもないどころか、もう一度と誘われているようにすら錯覚してしまう。
わざと中をもう一度揺らすと、身体は少し跳ねてまたがっしりと掴まれた。
「ってめぇ!今日は一緒に寝ねぇからな!」
声色が本気になってきたのが分かって素直に抜き取ると、まだ少し震える身体を抱き寄せて衣服を整えてやった。
「すまない、調子に乗りすぎたようだ。」
「なんだよ、欲求不満か?あんだけ相手してやっても?この性欲ジジイ、死の王じゃなくて性欲の王かてめぇ!?」
割と本気で怒らせてしまったようでドストミウルはしばらく謝罪の言葉を並べるばかりだった。
「やあやぁ、ごきげんようお二人さん!...ところでもう終わった?」
気がつくと窓枠には吸血鬼の王が立っていた。
「げっ、イフ...あっアンタいつからいたんだよ。」
思い切り焦ってドストミウルを突き飛ばすように押しのけると、カノルは自ら服を整え始めた。
「んー、君達が繋がり初めてフィニッシュを迎えるまでかな?庭まで降りて屋敷に入れば良かったんだけど、どうせだから終わるまで眺めてよっかなってサ!」
カノルはあからさまに顔を引き攣らせた。
「そんな顔しないでヨ。君達が毎日のようにそういう事してるのは周知されてる事なんだから気にしなくてもいいんじゃない?」
のほほんとなんでもないように言うギャリアーノを見てカノルは余計に不機嫌な顔を浮かべた。
「カノル、怒っているかね。」
手を差し伸べようとしたドストミウルの手を蹴り飛ばしてからカノルは二人に背を向けて歩き始めた。
一度だけ振り返ってドストミウルを睨みつける。
「今日は本当に部屋に戻らないからな!いいか、約束を破ったアンタが悪いんだから、よく反省しておけよ!」
そう言って姿を消してしまった。
「あー...どうしようもないね、君ってやつは。」
ギャリアーノは親友を横目で見た。
「うむ...がまんとは難しいものだな。」
ドストミウルはカノルが去っていった方向をしばらく見つめていた。
「じいさん、旦那様に襲われたから助けて。」
倉庫の整理をしていたヂャパスを見つけ、カノルは助けを求めるように駆け寄った。
「服も変えないといけないな。」
「ホントだぜあの節操なし。ねぇ、今日じいさんの部屋で匿って。」
「別に構わんが、旦那様に居場所を聞かれたら儂は答えるぞ。」
「うん、いいよ。避けられてるって知らしめたいだけだから。」
「また喧嘩になったのか?」
「今日も悪いのは旦那様ですぅ。ったく、嫌気が指すぜ。 」
ヂャパスは懐から塗薬を取り出すとカノルに手渡した。
「嫌ならちゃんと断れば良かったんじゃないのか?しっかり拒否すれば旦那様も無理強いはしないはず。」
「...」
カノルは口を曲げたままクスリを受け取った。
「とりあえず部屋借りるな。」
「好きにするといい。」
カノルは倉庫を出るとため息を吐きながら廊下を進んだ。
「嫌だけどさ...」
星空と夜風、誰かが来るかもしれない緊張感、強引な手と強要される感覚。
思い出すと腹の底が痺れるようだった。
「腹立つなぁ」
カノルは不機嫌そうに照れながらヂャパスの部屋に向かった。
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