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醜態を晒せ!①
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「ええ、やはり奴には罰が必要です。」
「やるならちゃんとこたえるやつにしなきゃよね。肉体的はダメだし、精神的に?」
「確かに放っておいては示しがつかんからな。」
ひとけのない廊下の隅で三人の使用人が集まっていた。少女の風貌をもつゴルゴア、巻き髪と短いスカートが特徴のベトルイーナ、そして執事長のヂャパスだ。
「なんだろーね、顔に落書きして仕事させるとか?」
「もっとこう...後に語り継がれるような辱めはないか」
ゴルゴアは食いぎみにベトルイーナに詰め寄った。
「本気になっとるなゴルゴア...」
「長はあいつに甘いですからせめて私が厳しくと心掛けております故。」
頼もしく自信満々に胸を叩いたゴルゴア、心なしかいつもより目も輝いている。
「あっ、いいこと思いついたわっ!」
ベトルイーナは手を叩くと、その考えを二人に耳打ちした。
「それは妙案だ、タイトなやつにしてやろう。」
「いいわねぇ!たくさん記録に残してやりましょう。」
「お前達...楽しんどるな。」
ヂャパスは二人の女性の活気に珍しく圧倒されていた。
カノルはいつも通り使用人の服に着替えると部屋を出た。そして階段をおり広間へ向かう、仕事始めの集会のためだ。
さて、今日はどこで時間を潰そうか。なんとなく腹も減っているし、厨房に忍び込んでつまみ食いをしながら身を隠すのもいいかもしれない。
これもいつものことだが、もう既に皆は集まっていてカノルは皆の集まる後ろの方にそっと溶け込んだ。
「お、おはようカノル。」
「おはよー」
カノルはこちらに気づいたギドに軽く挨拶を返す。
集会は執事長の咳払いから始まる。
「よし、皆集まったな。特に連絡事項もないので通常通り仕事を始めたいところだが…」
ヂャパスがそう含みを持たせたのでカノルも少し顔をあげた。
「数名から意見があってな。我ら王に使える使用人として相応しくない行動が目に余る者がいるとの報告があった。」
カノルは眉間にシワを寄せ口を曲げた。
「分かっとるなカノル。」
「心外だなぁ。俺はいつでも大真面目なんすけど?」
カノルは肩をすくめてふざけたように笑う。
「その態度で大真面目だと?嘘も大概にしろ!」
怒声を飛ばしたゴルゴアを見てにカノルは少し顔を歪めた。
「落ち着けいゴルゴア。…そう言うわけでだ、あんまりお前の緩みが目につくもんでここで一度ペナルティを与える事にした。」
「はあっ?聞いてねぇよ!なんで事後報告なんだよ!」
焦るカノルをみて笑ったのはガルイヤだった。
ガルイヤはカノルより少し年上くらいの風貌の黒髪の男アンデッドだ。
「その方が面白いっちゃ面白いよなー」
「他人事だからって楽しまないでくれよ…」
「して、そのペナルティとは何です師父。」
ガルイヤはにこにこしながら挙手までしてヂャパスにそう問いかけた。
「…儂のおも立った意見では無いのだが…」
ヂャパスが言葉を詰まらせると、ベトルイーナがヒールを鳴らして一歩前に出た。そしてなにやら紙袋からヒラヒラとした布を取り出すとそれを皆の方へ向けて付き出した。
「色々意見も出たけど、精神的苦痛を伴うペナルティにしようかと思ってぇ、カノルには今日の仕事中これを着てもらうわ!」
自信満々に付き出されたそれは、使用人の服だと言えばその通りなのだがどう見ても女性版だ、つまりメイド服だった。もちろん綺麗で華やかななレースがついており、ふわふわなスカートも何故か極端に短い。
カノルは目を見開いたあと眉間のシワを深め、前に立つベトルイーナに詰め寄った。
「だからふざけんなって!なんで勝手にんなこと決められて、はいそーですかって受け入れなきゃならねーの?俺は女装なんてしねぇぞ!!」
「あのね、あんたに拒否権はないの。今までだって散々注意はされてきたでしょ?それでも行動を改めてない自分が悪いんだから。」
どう考えてもこれはペナルティなんかじゃない。ただの悪女共のお遊びに付き合わされているだけだ。ペナルティ何て言うのなら普通に過重労働とか執事長の見張り付きとかでよくないか?なのにこんなふざけた格好をさせるだけなんて…
「旦那様も喜ぶんじゃないかしら?」
カノルがその言葉に顔をあげるとベトルイーナがニヤリと笑った。
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