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鍵穴の向こう③
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「鍵を、開けたのかね。」
「鍵?...ああ、見たよ。」
あっけらかんとして答えるカノルに対しドストミウルの瞳の色は深かった。
「私の事が嫌になったら出ていくといい」
「どして?」
「...」
「残念だけど、俺は頼まれても出ていかないからな。」
「失望する事はあるだろう。」
「アンタは俺に失望しない訳?」
「君に失望する要素がない。」
「本当に?アンタは俺の全部を知ってる?」
カノルは口の端に笑みを浮かべながらドストミウルの瞳を覗き込んだ。
「...それは分からないが」
「例えば、俺がアンタが一番嫌う事してたとして、今からアンタは俺の事嫌いになる?」
「難しい話だな」
「そう?俺は今が幸せならそれでいいけどな。」
そう言ってカノルは笑った。
ドストミウルはカノルの頬に指をかけてから体を寄せた。
私は今以上に君を嫌う事は出来ないのだろう、ただ きっと今以上に好きになる事しか出来ない。
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