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はじめてのおともだち3
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朝から疲れた様子のシノに首を傾げる。
「…朝からこんなに疲れたの、なかなかないんだけど」
じとり、とこちらを睨むシノは、どうやらなかなか起きてこない俺を必死に起こしてくれていたらしい。
「貴重な経験できたじゃん、良かったね」
「よかねーよ!!!つーか、なんだその眼鏡!」
そう、俺は本日から眼鏡男子である。インテリ眼鏡である。おい、そこ、需要ない言うな。
「いやあ俺昨日生徒会長に顔見られてるんだよねえ、はは」
第三師団団長のこともよくわかんないしなあ。念には念をって奴だ。
「はっ!?お前そういうことは早く言えよ!」
なんで?という顔をすると、シノはひとつ溜息を吐いた。
「…お前がダガーの隊長だって知ってるのはこの学園内で俺だけだろ?」
「うん」
「じゃあ尚更協力するだろ」
「お、おう」
ちょっと照れた。
ここの制服はブレザーは黒、下はグレイでネクタイは臙脂色とシュッとした感じだ。眼鏡は細いフレームのもので髪も自分少し切り、もともと長かった前髪を前に垂らす。これで昨日より大分印象は違うだろう。
俺がなかなか起きれず、シノが朝食を作れなかったために食堂へと向かう。
聞いてるとうんざりしそうなシノの説教を右から左へ流していると食堂に着いた。中はカフェテラスのようになっており、発券式のようだ。なかなかメニューは豊富だが値段がリーズナブルな価格とは言えず、このエリート高校め…と内心毒づく。
料理を適当に選び、空いている席に座る。どうやら料理は持ってきてくれるようで、至れり尽せりの環境だ。自警団の食堂ではセルフなのに、と実質公務員の大人たちと学生の優遇の違いに思わず笑ってしまった。
「そういえば、昨日話途中だったんだけど」
シノが頼んだパスタが運ばれてきて、シノは軽く会釈をし料理を受け取った。
「話?」
「ウチはゲイが多いって話」
「あぁ、はいはい、それね」
あまり覚えていないが、適当に相槌を打つ。
「生徒会と風紀委員会があってそいつらには近づかない方が身の為だよ。」
「目ぇつけられるとやばいってこと?」
「そいつらがやばいわけでも…あるんだけど、それより、周りの方が面倒臭い。」
確かにあの生徒会長のことは俺も内心ではバ会長と呼んでいるし、他の連中もヤバいのかもしれない。
「…ほう」
「顔や成績、家柄の良い生徒には親衛隊がつくんだよ。わかりやすく言うと、ファンクラブなんだけど……
大体の親衛隊の目的は、親衛対象の身の安全と抜け駆けを無くす為、対象に近づく人間は制裁される。」
「つまり、イケメンに近づいたら最期。お仕置きされちゃうわけね。…それで俺はお前と居てもお仕置きされない訳?」
「俺の親衛隊は、ちゃんと統率がとれているから安心してね、俺の交友関係に口出ししないように言ってあるし、なによりそこまで周りが見えない連中じゃない。俺の所はね。」
あー、やっぱりコイツは使える。一つの組織をしっかり統率できるというのはなかなかできない。どこかに勧誘受ける前に副に言っておこう。
「そりゃ良かった。目立ちたくないしなあ」
すると突然、食堂が爆発した。いや、本当にしたのではなく比喩ね、比喩。だが、まさに爆発したかのような悲鳴達。どっからその声だしてんの…、てか、ここ男子校よね?って感じのほぼ悲鳴。
「きたぜ、シキ。生徒会のお出ましだ。」
シノは食堂の入り口の方に顔を向け、俺に言う。そこには、昨日の生徒会長と後ろにチラホラ何人か。そのまま、食堂の二階の方に上がっていく。二階の様子は一階から見えるように設計されているようだ。
生徒会を見ていると、生徒会長がこちらを見るーー俺は咄嗟に目線を逸らした。
目ぇバッチリあっちゃったわ。しかし、もう一度目線を上げると、生徒会長は気にすることなく生徒会の奴らと話していた。良かった。
「ま、とりあえず、接触することはほとんどないと思うし大丈夫だと思うけどね。顔だけでも覚えておけば?」
「そうする。」
俺はなんとなくこの学園の性質を理解こそはすれど、馴染めるかとてつもなく不安になった。
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