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親衛隊とは3
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生徒会室の扉を開けて入ってきたのは、予想通りあの、いけ好かない生徒会長。その後ろには二人、生徒会長の後ろから顔を出す。
「あれ~?お客さん?」
「ミナミ、俺の放送聞いてなかったの?この子が、今回の救済措置のブザー鳴らした子だよ。」
「あー、おれねてたかもー」
チャラい会計と副会長の会話に耳を傾ける。この、チャラい奴が会計ならもう一人のめちゃくちゃ身長が高い奴は書記か庶務か?
向かいのソファに生徒会長が偉そうに腰をかける。
「それで?今回あの包囲網突破した奴が、この一年?」
「そうだよ、シキ君。一年Sクラス。今月初めに転校してきた子。」
「…あぁ、そういえばそんなのいたな。」
生徒会長が、そんなんでいいのか。
「ちょっとかいちょ~、一年生にはもっと優しくしてあげなきゃ~、シキくん、おれはねー、生徒会会計のミナミってのー。よろしくねぇ?」
「…どうも、よろしくお願いします」
なんだコイツ『~』がデフォルトなのか!?腹立つからやめてほしいな…
「そういえば、俺も自己紹介がまだだったね。僕は生徒会副会長のエイノ。そこの机に居るのが書記のミケ、この隣で踏ん反り返ってるのが、会長のタクト。」
「踏ん反り返ってるは、余計だ。」
「まあその高すぎる鼻も先日ポッキーンって折られちゃったけどね」
…………それは、あれか。 アレのことなのか。
目の前の会長サマは、顔を伏せプルプルしてる。プルプル。
「銃じゃ右に出る者が居ない学園史上最強の生徒会長様とまで言われたタクトがまさか、負けるとはね。しかも相手は第七師団三番対隊長でどんな巨漢が出てくるかと思えば、細身のチビ。あれ程愉快だったものはないよ~」
副会長の言い草に生徒会長が吠えた。
「うるっっせえ!!!!俺の前でその話すんなって何回言えばッ!!!」
「えー?だぁーってタクト、あの隊長に恋しちゃったかのように探し回ってるしぃー?なぁーんか怪しいよねえ」
俺も吠えたい。だーれが細身のチビだ。巨漢じゃなくて悪かったな。
胸ぐらをつかまれながら、ニヤニヤとし続ける副会長に俺も殴りかかりたくなるが、ここは我慢である。
「あの、ご用件は何ですか。」
このままこんな所で時間を食うなんて冗談じゃないので、話に割り込む。
「あぁ、そうだったね。救済措置として設けたブザーを君が鳴らしたから、その特典をあげようと思って。特典は、生徒会になんでもお願いできる権利だよ。さあ、なんでも、どうぞ?」
「……それって本当になんでもいいんですか」
「もちろん?生徒会の誰かにハグしてもらいたいだとか、1日デートしてほしいだとかなんでもござれ」
「…えー、じゃあこの学校って出入り自由にできましたっけ?」
「いや、外出許可が必要だね、理由がいるけど。例えば、祖母が亡くなりました。とか、結構厳しいんだよね。この学校。」
「あー、じゃあ外出許可ください。」
「え?そんなのでいいの?いいの?俺とチューしなくて」
「いらないです。全然、いらないです。」
「えー、みんなはほしがるのにー。」
「エイノ、そいつに構ってないで早く仕事をしろ。」
「チッ、うるさいなあ。いつもタクトの方が仕事サボるくせに」
「あぁ?俺は今やってんだろ」
「ハイハイ、じゃあミナミにやらせてればいいじゃない」
「なんで俺!?」
とりあえず、俺がここにいる必要はないので、さっさと失礼することにする。
「じゃあ、帰ります。」
「えー、シキくんもう帰っちゃうの?」
「はい。じゃあ、ノア帰ろう。」
そう言ってノアの手を引いて、ソファから立ち上がる。
「うん」
「では、失礼します」
そうして、俺はやっとこの地獄の時間から抜け出せたのである。
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