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弱っちいけどさ2
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俺はこの世界のそういった政治とかややこしい事は詳しくない。あくまで推測ではあるが今までの情報と俺の予想をまとめよう。
この世界の王族には、本家と分家がある。本家は二種類あり、オウシュウ家ともう一つあるらしい。これは思想の違いが絡んでいるとかないとか。そして今はオウシュウ家が統治していると。そして、分家はかなり枝分かれしており、なかなかややこしいことになっているが、これも思想の違いにより派閥とやらがあるらしい。
そして今回の件で、犯人はオウシュウ側に揺さぶりかけたいらしく、オウシュウ側であるノアの家に揺さぶりをかけているらしいが、これはほんの挑発程度のつもりなのだろう。
主犯格である「兎」は、俺達がマークしていたところでもある。あの組織は、なかなか実態を把握できず、俺がこの学園に来る前に一人捉え情報を引き出すことができた。あの組織は、とにかく人数が多いのだ。そして組織の主格となる人物はとんと姿を見せることはなかったという。
「…おい」
「…………」
…チッ、無視かよと、セツカは一人呆れる。
「おい、シキ。」
名前を呼ぶと、ようやくその真っ黒な目がこちらを向く。
「俺は第三師団団長だ。俺を頼れ。」
……なんでそんなコイツは偉そうなんだ。ふとコイツの血縁者の顔が思い浮かぶ。
「お前、団長と似てるな」
「……」
そう言うと、セツカはムッとする。
「嫌なのかよ?」
まあ、あの暴君と似てると言われたら俺は嫌だ。
「…兄貴はあまりのスペックの高さにイラッとくんだよ!」
「……」
つまり、あれか。
「フッ、アハハハ」
急に腹を抱えて笑い始めた俺を訝しげに見るセツカ。
「……何、笑ってんだよ。」
「いやぁ、お前もかぁわいいところあるんだなあって」
「かわいっ、てお前!」
「いやあ~~、こう見るとますますかわいく見えてくるなあ。」
セツカの頭を撫でながら、己の口元を隠す。ダメだ、ニヤニヤしちまう。
「お前お兄ちゃん大好きなんだなあ」
「なっ…!」
「照れるな照れるな」
「……わるいかよ、」
ボソッと呟いたセツカの顔を覗き込むようにしてみる。
「俺達は腹違いの兄弟だから、とやかく言ってくる奴らはいる。けど、俺は純粋に兄貴を尊敬してる。……いいだろ、別に。」
「いいに決まってるだろ。」
セツカの頭から手をパッと離して、俺は続ける。
「さ、今日はお前の弱点がわかったところで俺は退散しようかね」
と言って俺はベンチから立ち上がろうとする。…ん、あれ。立てない。んん?
「……テメェ、勝ち逃げしようなんざ百年早えんだよ、」
肩を見ると、セツカが思い切り俺の肩を掴み下に力を入れている。
「イダダダダ、やめっ、肩とベンチがくっつく!」
「くっつかねえよ」
セツカに片手で顎を掴まれグリンッとセツカの方を向けさせられる。セツカの顔を見た瞬間俺は数分前の己を悔いた。その時のセツカの顔は随分と悪どい顔をしていたからだ。
「ア゛ーーーーーッ!」
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