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「…………お前男子校だっけ」
「男子つーかぁ、工業? まあ野郎しかねえっす」
「ホモとかいんの」
爆笑された。
「んすか、んすか、その質問。やばないすか。え、どゆことすか」
「や、なんか。男ばっかって、そーゆーのあるのかな? って」
「それ腐女子様の発想ですやん。ゆきぽにも同じこと言われてんすけど」
「あ。マジで。ごめん」
何故か俺は謝ってしまう。なんで謝った?
頭の中に点滅してる、差別の文字。なんで? どこが? わりと普通の会話だろ。
あとでちゃんと考えよ。
……………こういうとこで、俺は浅原とすれ違ったのかもしれないんだ。
「ホモー。いますよー。えーなんすか、深谷さん、そっち系すかぁ」
「微塵も」
「あはは! 否定早ぇ! パネェ! 拒絶やば!」
クラゲみたいに身体をふらふらさせて、二、三個年下の男は笑う。
「………………や、なんか友達がそうっぽくてさ」
そう洩らしたら、彼はうって変わって、真面目になった。
「え、……あー。……あれすか、LGBT 的な」
「うん。や、つーか、ホモなんだってさ」
「あー…………………。ま、けっこ最近多いすもんね」
「…………俺あんま知らねぇんだけど、そういうの」
「Twitterとかニュースとかでも流行ったじゃないすかぁ。あれでほらー。カミングアウト? する人増えてるらしぃすよ。まー昔を知らねぇですけどー。え、その人、どんなっすか」
「どんなって」
「見た目。えーなんかぁ、すげーふつーに綺麗な人とか多くないっすか? そら女に見向きもしないわーみたいな」
「へえ。………まあ、すげぇイケメンだよ」
「あー。いーすね。ぶっちゃけぇ、てきとーなブサイク女よりそーゆーイケメンそばに置いときたいみたいなとことかなくないっすか」
「いや、俺は全然」
年下は、またゲラゲラ笑う。
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