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「…………………意外とお前って、あれなのな」
俺の肩に顔をうずめる浅原の、背中を叩いてあやす。
甘い雰囲気にならないのは、どっちも笑ってないし、どっちもお喋りすぎるからなんだろう。脳で恋愛は出来ない。学問じゃないから。
この奇妙な関係を客観視して、いちいちその言葉や行動を考察してたら熱なんか生まれない。
「なんだよ」
「んー」
「なんだよ、あれって」
「なんでもない。………めっちゃキス上手いな」
「それはどうも」
浅原は近づいてきたときと同じように、ふいと離れてキッチンへ行く。
「コーヒー飲む?」
「飲む」
「なんか入れる?」
「ぬるくして」
「どういうこと」
「ミルク」
「あー、はい」
意外とお前って、人付き合いとか苦手なんじゃねえの。
そんで、不器用なわりにはきっと、目の前にいる人に対してだけは誠実だ。
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