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「行くよ?」
「……うん…」
パチンッという音がして、耳が微妙に重くなる。
「痛くない…」
「でしょ?」
鏡を手渡され、ピアスを確認する。
「格好いい…」
「俺は新しく開けなくてもいっか。ここ外して……よし」
それぞれの誕生日石を交換して付けたピアス。
「なんか恋人っぽいっ」
「ぽいじゃなくて恋人ですー。安定するまで毎日消毒してあげるから」
こくりと頷き、ピアスを夢中になって見つめた。
今日のパジャマはパンダの着ぐるみパジャマだ。
また新しいシリーズを何着か買ってきたらしい。
頭をバスタオルでわしゃわしゃと拭かれ、ドライヤーで乾かしてもらう。
(他の人にやって貰うって気持ちいい…)
心地よさに身を任せているうちに乾かし終えたようだ。
「晩ご飯一応マック買ってきたんだけどそれでいい?」
こくりと頷き、ソファーに寝そべって温めるのを待った。
何度目かの温め終えた知らせを聞き、ようやくテーブルに運ばれてきた。
「何食べたいのか分からなかったから…取り敢えず人気なの買ってきた」
マックなんて食べるのは数年振りだ。
両親と祖父母は健康重視で毎日手作りだったし、外食は滅多になかった。
「…いただきます」
パクりと一口食べると、ジャンクフードの旨みが口に広がる。
「おいひい…」
本当に美味しそうに頬張る俺をにこにこと見つめていた。
「あきー。もうそろそろ寝るよ」
「ひろとさんと一緒」
「はいはい」
歯磨きを済ませ、二階に上がってひろとさんの部屋に入る。
「明日仕事帰りに秋のアパート解約してくるよ。荷物も全部こっちに運ぶよう手配するね」
「ありがと」
布団に潜り、恋人の温もりを感じながら眠りについた。
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