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「あーきー、いい加減起きなよ」
「ん……ひろと…さん……」
「朝ごはん冷めちゃうよ」
だるい体を起こし、よろよろとしながら部屋を出て階段を降りる。
「危なっかしいな…」
後ろからおろおろとしながらひろとさんが付いてきた。
「もう仕事行くからいい子で待っててね。帰りにケーキ買ってきてあげるから」
こくりと頷き、まだ眠い目を擦りながら玄関で見送った。
そしてやっと違和感に気づいた。
(……あれ…首輪ない)
洗面所へ行き、顔を洗うついでに確認するが、やはり付いてなかった。
ひろとさんの部屋に戻り、首輪を探す。
(ない…ここにもない…)
監禁されていた部屋に行くと、ベットの上に首輪が置いてあった。
付けるのに苦戦しながらも、最終的に鏡を見ながら付けた。
(よし、朝ごはん)
テレビを付け、ニュースを見ながら朝食を食べる。
「何しようかな」
昨日撮り溜めした映画は見尽くしたし、たいして面白い番組もやっていない。
「ひまぁー」
大きめの声で呟くが、勿論返事はない。
「…少しくらいなら散歩行ってもバレないよね」
ひろとさんの部屋から、自分が着れそうなサイズが小さめの服を取り出す。
「よし、首まで隠れるニットなら首輪も見えないし」
早速玄関にあったサンダルを履いて玄関を開けた。
「ん~っ!久しぶりの外の空気っ」
胸一杯に空気を吸い、辺りをブラブラと探索する。
(あ、公園だ)
歩いて2分もしないうちに公園が見えた。
遊具で小さい子達が遊び、ベンチや隅でお母さん達が喋っていた。
犬の散歩に来ている人や、お年寄りもいる。
(ザ、日常って感じでほのぼのするなぁ…)
外にウキウキとしながら何時間か散歩をしているうちに、日が上ってきた。
(少し暑い…もうそろそろ戻ろう)
来た道を戻り、家に帰る。
「ただいまー……って誰もいないけど」
なんとなく言ってみたくなったのだ。
サンダルを脱ぎ、服も着替えて証拠隠滅する。
テレビを付け、昼間のロードショーを見た。
『年間の自殺者が増え続けているみたいですね?』
『はい。恋愛絡みで別れて自殺だったりとか、彼や彼女を愛するあまりーなんてのもあるみたいですね。』
『最近の若者は依存性が高いという調査結果も出てますしね。程ほどに愛し合えればいいんですけどねぇ』
『恋愛ほど人の感情を左右するものはないですよ。こればかりはどうしようもないですね。』
『そうですね。ありがとうございました。ということで次の----』
(依存?)
あまり意味が分からない。
そのとき、まだ3時頃だと言うのに玄関の扉が開いた。
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