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小走りで玄関へ行き、お出迎えする。
「おかえり」
「…ただいま」
なんだかいつもと違う気がする。
「首輪、付けたんだ」
「うん。無いと不安になるから」
革で出来た首輪を大事そうに撫でる。
「………はぁ~……怒ろうと思ってたのに…」
外の匂いがするスーツのまま抱き締められる。
「秋、外出たでしょ」
「えっ」
「図星って感じだね」
(なんでバレた!?どうしよう、苦しいお仕置きされるっ)
「お仕置き、いやっ」
抱き締められていた腕を頑張って振りほどこうとするが、力が強くて無駄な抵抗に終わった。
「んー落ち着いて。お仕置きしないから」
頭を撫でて安心させられる。
「実はその首輪、GPS付いててさ。玄関を出るとスマホに通知くる仕組みなの」
首輪を指差しながら言った。
「俺が家出てから通知が来て正直焦ったよ。俺の事嫌いになっちゃったのかなって」
ぎゅっと、抱き締める力が強くなった。
「そっから全然仕事進まなくて、もう帰れって言われちゃって。命令…っていうか帰ってちゃんと休め、みたいな」
それほどまでにショックを受け、悩んでいたのかと反省する。
「ごめんなさい…」
「次からは一声かけてくれれば散歩も行っていいから」
抱き締めていた手が緩み、離れていく。
「ケーキ買ってきたよ。あとアパートも解約してきた。明日業者が来て運んでくれる」
「ありがと」
おでこにキスをされ、リビングに向かうひろとさんに付いていった。
「もう首輪しなくてもいいのに」
「これないとひろとさんに手放された感じしてやだ」
「一生手放さないつもりなんだけどな…」
背中に抱きつき、歩きにくいと言われてもやめなかった。
「そういえばなんでケーキ買ったの?」
夕飯を食べ終え、食後のケーキを食べながら質問する。
「んー、同棲記念?」
「なるほろ」
ケーキを頬張りながら納得した。
「そんなに頬張らなくてもケーキは逃げないよ」
笑いながら指摘された。
「なんか俺ひろとさんに甘えすぎててダメ人間になりそう…」
「なっちゃっていいよ。俺が面倒見る」
そんな格好いい(?)ことをさらっと言えちゃうのが凄いと思う。
「俺の彼氏今日も格好いい…」
沁々とそう思った。
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