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「秋、隠してることあるでしょ」
「………」
ぎこちない動きで首を他所に向けた。
「これはなんでしょう」
ぴらぴらと見せられた紙を見て顔を真っ青にする。
「…折角婚約するんだからさ。ちゃんと俺のこと頼ってよ。」
紙の内容は、同姓同士で妊娠するための手術の承諾書だった。
「俺だって秋に負担かけたくないんだよ。急がなくていいからゆっくり一歩づつ進んでいこ?」
「…ごめんなさい…」
頭を優しく撫でられ、子供については後日ゆっくり話すことになった。
「それにしてもこんな細いお腹に赤ちゃんが入るのかぁ…」
ぺろっと服を捲られ、お腹をさすられる。
「妊娠しても秋が倒れちゃったら意味ないんだからね?」
こくりと頷き、ひろとさんにもたれ掛かる。
「疲れちゃった?……少し顔赤いね」
おでこに手を当てられると、ひろとさんが顔をしかめた。
「ベットで横になろうか」
そのまま二階へ連れてかれ、首もとまで布団をかけられる。
体温計で熱を計ると、38度前後だった。
「このまま寝ちゃおう。起きたらきっと下がってるだろうから」
冷たい手でおでこを触られ、ひんやりとした気持ちよさに目を瞑った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
◇
規則正しい寝息が聞こえたことに安堵し、部屋を出る。
何が原因なのかはわからないが、疲れが溜まっていたんだろう。
「あれ、秋君は?」
「熱出ちゃって寝てる。明日の朝下がらなかったら病院連れてくよ」
「そっか。秋君用のお粥作っとくね」
「ありがとう」
まだ夕方だ。少し残っている仕事を片付けに、二階へ上がった。
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