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「じゃあ行こうか」
「……うん」
バクバクと波打つ心臓を押さえながら、ひろとさんの車に乗り込む。
何日も沢山話し合い、子供をお腹に宿せるように手術をすることにした。
婚約届けも手に入れ、証人として20歳以上だった伍さんと柚希さんに署名をしてもらった。
あとは俺とひろとさんの名前を書くだけの状態になっている。
「緊張してる?」
「…心臓ヤバイ……」
知っての通り、痛いのがこの世で一番嫌いだ。
手術中に麻酔が切れたらどうしようか。
手術が終わった後激痛が来たらどうしようか。
そんな考えがぐるぐると回っている。
そんな俺を見越してか、赤信号になる度頭を撫でてくれた。
病院に着く頃にはその成果もあってか緊張は少なくなっていた。
「先週話していた手術の件ですよね?再度詳しく話していきましょうか」
手術は2時間ほど。麻酔は確実に打つため眠っている間に終わることと、成功率が極めて高いこと。手術後様子見のため一ヶ月の入院が必要なことなど、おさらいをした。
「もう書類等は受け取っていますので、まずはこの服に着替えてください」
病院でよく見る服を渡され、個室で着替える。
ここでひろとさんとはお別れになった。
「頑張ってね」
不安そうな顔でこくりと頷き、小さく手を振る。
「…心配しなくて大丈夫ですよ。この手術が出来るようになってから、先生は結構な男性や女性の手術をしてきたんです。失敗したことは一度もありませんから」
隣にいた看護師に元気付けられ、不安がほぼ消え去った。
手術台に横になり、麻酔を打たれる。
「まだ注射だから大丈夫だよ。このまま眠っていいからね」
先生に優しく声をかけられ、瞼を瞑った。
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