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はちみつレモン4
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────レトルト視点────
キヨ君の声が出なくなって、今日でちょうど1週間。
今から家に来る、らしい。
なんであんなに俺の家に来たがるんだろ、キヨ君。
…食べ物が目当てなんやろなぁ、どうせ。
俺が部屋を片付けていると、ピンポーンと玄関のチャイムがなった。
あ、キヨ君だ。
玄関まで行き、ドアを開ける。
「ん、いらっしゃい。」
キヨ君がちょっと眠そうに片手をあげた。
そのままズカズカと家に入っていく。
「一応ここおれの家なんだけどなぁ…」
自分の家だと勘違いしてるんじゃないか、こいつ…
ぽいっと鞄をソファに放り投げ、俺の飲みかけのコーヒーにキヨは口をつけた。
「…」
「勝手に飲んどいて不味そうな顔しないで!俺この頃返事続きなの、コーヒーないと寝ちゃうの!!」
4人実況の編集キヨ君がやってよ、もう…
俺がキヨを見つめると、キヨは気まずそうに目をそらした。
「……今日でぴったり1週間だよ。」
こくん、と小さく首が揺れる。
「声どう?戻りそう?」
次は横にふるふると振られた。
「まだ戻らないんか、」
…できるとしたら、これが最後。もうキヨくんを俺のワガママに付き合わせるわけにはいかない。
俺はキヨ君の首に手を伸ばし、そっとキスをした。
腕が俺の背中に回ってくる。
…多分、無意識。
その腕を掴んでおれはキスをやめる。
「…?」
「おれさ、考えたんだよ。」
ズキズキと痛む心臓を無視して、俺は話を続ける。
「何度も言うようだけど、ほんまにごめん。許可も取らずに何回も。いきなり大の男にこんなことされて、嫌だったよな…」
「…」
「だからさ、俺キヨ君と距離おこうと思うんよ。」
「…っ」
「ちょっと頭冷やさなあかんな、って。実況はもちろん撮るけど、オンラインで。できるだけ会わないようにしたい」
…これが最善、そうだ、これでいい。
キヨ君が悪いわけではないんだけど、俺が傷つけないように。
「ほんとにごめ…んっ!?」
がしっ、とキヨ君が俺の胸ぐらを掴む。
そしてそのまま、俺はキスをされた。
「っ!?キヨく…」
「レトさんの、ばぁーーーーーーーーーーっか!」
…はぁ!?
「なんやそれ、てか声…」
「あぁ治ったな、ってそれじゃねぇよ。レトさんまじで馬鹿だな。」
「俺は真面目に…」
「何勝手に自分の中で自己完結させてんのこの馬鹿、俺の話を聞けよ。」
「は…?」
キヨ君はおれから手を離し、腰に手をあてた。
「何勘違いしてるか知んねぇけど、嫌だと思った事なんてないぞ?」
「そんなこと」
「はいすぐ否定から入るー。そこがレトさんの良くないとこだと思うんだよね、俺。いいか、よく聞けよ。」
キヨ君はすぅ、と大きく息を吸った。
「俺はレトさんが好きです。大好き。これでもわかんないならあと100回は言ってやるよ、大好き。だからあの時嬉しかったよ、本当に、大好きだからさ。レトさんに会えないとか俺は耐えらんねぇよ、そんなこと言わないでくれよ…」
「…そうなん…?」
「そうに決まってんだろ、俺が本気で嫌だったらレトさんボコボコにしてるわ。」
「…じゃあ、なんで泣いてたの?」
「あー…なんか、嬉しくて、感極まって(?)」
「あ、そうなんや…」
“馬鹿だなー”と言いながら、キヨ君は俺の頭をわしゃわしゃし始める。
「なんだ、そういう事だったんか…」
「そそ。難しく考えすぎなの、レトさんは。だからいつまでたってもゲーム下手くそなんだよ」
「それは関係ないやろ!?…LINEとかで言ってくれれば良かったのに。」
「ふざけんななんの羞恥プレーだよ。それにレトさん色んな人に送り付けるでしょ、そのスクショ。」
「うっしーとガッチさんとフジ君あたりには。」
「それだよそれ」
…なんかあんなに考えてたのが馬鹿みたいやな。
本当に良かった…
「…あんな、キヨ君そろそろわしゃわしゃやめてくれん?キヨ君が見えないんやけど。」
「やだ。」
ちらっと指の隙間から見えたキヨ君の顔は真っ赤だった。
おれの恋人は、どこまでも可愛い。
「キスしてもいい?キヨ君」
「は、好きにすれば」
「して欲しくないの?」
「…うっせ」
拗ねたようにそっぽを向くキヨ君の首筋に、おれはかぷっと噛み付いた。
「いってぇ!なにすんだよ!!」
「キヨ君がおれのものっていう印つけたの。キヨ君モテるから」
「…俺は絶対浮気なんてしねぇよ」
「へぇ、相手が佐々木希さんでも?」
「人妻だからw」
浮気防止とかじゃなくて、こんなに可愛い人が俺の恋人なんだよ、って自慢したいだけやけど。
俺は首筋をおさえて立ち上がったキヨ君の袖を掴む。
「キヨ君好きやで」
「レトさんなんか飲む?俺今日は機嫌いいからなんかあったかいもんいれてあげるよ。」
「無視w」
「コーヒー紅茶以外で。10秒以内に答えなかったら空の綾鷹のペットボトルね。ハイ10、9…」
空ってただのゴミやん。えー…っと、何にしよ。
「…3、2」
「分かった、はちみつレモンお願い。」
キヨ君は驚いたように目をぱちぱちさせて、柔らかく微笑んだ。
「りょーかい。はちみつ多めね」
────end──────
「はちみつレモン」endです、ありがとうございましたー
最後だけこっちの都合でキヨ視点がありませんがお許しください。
どうだったでしょうか…?
お楽しみいただけたなら幸いです!!
さて、次回ですが、TOP4のキヨ総受けを2作品かきます。
1つ目はただのわちゃわちゃで、2つめはバリバリRの予定。
最近ずっとTOP4のジェイソンを見直してるからか、めっちゃ書きたくなったんですよね…
次もお楽しみに〜m(_ _)m
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