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「…っふぁ??」
また間抜けな声をあげてしまった。だが、仕方ない。ヒビキの話についていけていないのだから。待っている、とは誰の何を…??
やはり、俺の決意を…なのか。
ヒビキがベッドを下りて、寝室を出ていく。…しばらくして、蛇口をひねる音が聞こえてくる。その足で洗面台に向かったのだろうか。
ベッドの上で一人取り残された俺は、額に手をやる。
キスされた部位を撫でると、気のせいか。キスの痕がじんと熱く疼いた気がした。
ヒビキは朝食を片付けると大学に向かう。俺も皿洗いを済ませてから、大学に行く。ヒビキとは学部が違うものの、三つくらい顔を合わせる授業がある。他にも移動教室の関係なんかで、キャンパスで会わない日はほとんどない。
その場の流れというか数少ない知人だからか…。ともかく、昼休みには決まって俺とヒビキとそのどちらかの友人と一緒になってランチタイムと相成るのだった。
本日のランチは食堂だ。たくさんの生徒が入り浸っている。きゃいきゃい明るく騒ぐグループもいれば、同じ人数なのに厳めしい面をつきあわせて、大量の参考書をテーブルに積み上げ、何やら気難しそうに話しているところもあれば、一人淡々と食べている生徒や一人なのに明るく学食を注文している生徒もいる。
「えっ‼?たっちゃん、サークル入らないの‼?」
ヒビキの素っ頓狂な叫びに、俺はやれやれと肩を落とす。一日に顔を合わせない日はないというのに、この幼馴染はどこか抜けているところがある。
「…考えてもみろよ。俺は料理担当だぞ。飲み会行って他の生徒と親睦を深めるより、早く帰ってから二人分の夕飯作った方がいいに決まっているだろ。」
ヒビキはまだええ~、と間延びした声を放っている。…どうやら、俺がサークルに入らないのがよっぽどショックだったらしい。
「…じゃ、じゃあ料理当番制にしよ…。」
蚊の鳴くような声で提案してくるものだから、思わずふっと噴き出してしまった。気遣いはありがたいが、もう俺の中でサークルに入らないという決定はかたまっている。
「…ありがとうな。その分、お前がサークル入ってのびのびすりゃあいいよ。」
「でもォ…。」
目尻にじんわりと涙を浮かべ、ヒビキは情けない声をあげる。…さしずめ、俺と一緒のサークルライフを期待していたんだろう。
「…そういやさ。」
種田といったか。短い茶髪がピンピンピンピン跳ねまくりの天然パーマと焦げ茶パーカーが特徴的なヒビキの友達が、彼に話しかけてくる。
「ヒビキって、押しに弱そうじゃん。…飲み会行って、大丈夫??」
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