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ぴくり、と俺の肩が無意識に震える。
…いかん。無自覚にヒビキ保護者モードのスイッチがONになってしまっている。
「まあないだろうけど、先輩が酒を飲め飲めって勧めてくる場合もあるって先生が言っていたぞ。そういう時、きちんと断れるの。」
「ぅ゛ぅ゛う゛う゛…。」
「ぁああ…。」
ずずず、とテーブルの下方に埋もれていくヒビキと、テーブルに突っ伏する俺を見て、眉を寄せた種田は小首を傾げる。
「…そこでどうして幼馴染君まで、意気消沈するよ。」
「いや、ちょっと心配になってしまった…。」
未成年だからないと思うものの、そういった基準の認識が曖昧になってしまうのが酒というものなわけで…。俺はちらりと隣を見る。購買で買った焼きそばパン片手に不安げな幼馴染。華奢で、どこかぼんやりとした雰囲気を持っていて、極めつけにドのつくお人よし…。
あのぅ、と俺は種田に問いかけてみる。
「…飲み会に行かないって手は??」
マジ、と片眉を持ち上げて、種田は言う。
「部活でていて、大会の打ち上げ出ない選手いんの??文化祭終わって、片付け手伝わない輩いるわけ??」
「ぅぐ…。」
苦しげに呻く俺に、種田は畳みかける。
「…まあ、死ぬほど体調悪いのに出ろって奴はいないだろうけど…。毎回やっていたら間違いなく、先輩に目ェつけられそうだよな。」
「…やっぱオレ、サークル入るのやめよっかな。」
遠い目をしだすヒビキに、種田は不満そうな声をあげる。
「え~。せっかく見学誘ったのにィ~…。」
くねくねと身を捩る種田が可哀想で、俺は思わず幼馴染に声をかけていた。
「…サークル、入れば??」
雑多な音が飛び交う食堂。…なのに、どうしてか。俺の本音は、氷みたいに凍てついて自分の耳に届いた。
え、とかたまるヒビキに種田がほら、と表情を輝かせる。
「幼馴染君も勧めてんじゃん。サークル一緒入ろうぜ。」
「でも…。」
ヒビキが何か言いかけた、矢先だった。
「あ、種田君達だ‼」
種田に話しかける人影があった。同年代の女子で…小柄でパステルカラーを基調とした服装をしている。亜麻色のセミロング。胸が大きめ。俺の考察としては、いかにも健全男子が好きそうな女子力の高そうな女子。
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