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魔術師と使い魔①
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真夜中の街並みの灯りがビルの一角にある暗い部屋を照らし出す。
その部屋の中で並んで横になる2つの人影があった。静けさの部屋に一本の電話の音が鳴り響く。
rrrrr
「 ……なんだ」
『・・・』
「あぁ、忘れてた。わかった、今行く」
サイドテーブルの灯りを点けると、黒髪の男がタバコを手に取り一息つくとふと思い出したように横に目をやる。隣では赤毛の青年が寝ているのか目をつぶって寝息を立てていた。
長めの前髪から覗く鋭い金目を細めて、赤毛の青年の髪に長い指先を絡めて遊ぶ。
『・・・・!』
「ククッ、そーだよ。コイツは使い物にならないから置いてくわ」
電話を切ると赤毛の青年の髪にそっとキスしベッドを離れるのだった。
13年前、東京が突然蜃気楼の壁に阻まれ世界から孤立した。中では【魔術】を扱う異能者や異界の存在が出現したり混乱する東京を統治したのは、魔術師によって設立された自警団組織【天剣(てんけん)】。その役割は大きく3つに分かれ、政治財政部、警備部、医療部と人々の生活を管理する機能を担っていた。
その警備部へと向かって歩いて行くのは、185cmの長身で黒髪に鋭い金目を黒縁眼鏡で隠す恐ろしく美丈夫な男の名は、【キルシュ】。
警備部の警官にして天剣の狂犬と呼ばれる異端児だ。目的のためならいかなる手段も犠牲も問わない冷酷さと、度を過ぎたサディストとして仲間内からも嫌われている。
咥え煙草にカツカツと突き刺すような靴音を鳴らしながら同僚の痛い視線を受け流し、応接室まで辿り着くとノックもなく勝手にドアを開ける。
「よぉ、呼んだか」
礼儀のない言葉を短く発したキルシュは、ドカリとソファーにふんぞり返りつまらなげに自身の綺麗な黒髪の両サイドから伸びる胸元までの髪をクルクルと弄る。
部屋の奥のデスクトップに座っていたのは、白髪を真ん中辺りで無造作に分け瞳の色は琥珀色のどう見ても15、6歳くらいにしか見えない少年だ。
「キルシュ、君何勝手なことしてくれたんだい」
少年の目はニッコリだが明らかに怒気を含んでいる。それでも物怖じせずにキルシュは答える。
「あぁ、悪い。気に入ったんで飼う事にした」
「家はペット禁止です。元の場所に返して来なさい、と言いたいところだけどアレは希少種だからコチラに寄越しなさい」
「えー、拾ったモン勝ちだろ」
まるで帰り道でダンボールに入った動物を拾った息子と母親の会話のようだ。
「仕方ない君を拘束して希少種をお迎えするしかないね」
「ここに俺を拘束できる奴居るのか」
「居ないね、僕以外は。君は仕事をきっちりこなすし多目にみてたけど今回はさすがにダメ」
「悪いが、あいつはもう俺のお手付き。昨夜はそりゃあいい声で鳴いてくれたぜ、ぐちゃぐちゃにしてやったらな」
「はぁ• • •」
白髪美少年は憂いを帯びた眼差しで盛大にため息をつく。
「エイド、あいつはタダの人間だ。価値はない」
「価値ならある。その子は人間と異界種の混血だ。保護せねば世界の均衡が崩れるぞ。オークションで競売に出された彼を保護を命令したけど、無体な事をしていいとは言っていない」
「無体な事はしてないさ、最後なんかはめちゃくちゃよがってた。見た目ブサイクなくせに身体は上玉だな」
「• • •キルシュ、僕を怒らせたいの?」
エイドと呼ばれた白髪美少年の瞳の色が先程の琥珀色から赤色に変わっていた。さすがに殺気を感じたのかキルシュはふざけるのをやめる。
「悪かった、怒るなよ。じゃあ天剣が保護する名目で俺が保護する、OK?」
「勝手に自己完結しないでくれる?まぁ、いいよ。また誰かに誘拐されても困るし、君がキチンと世話するなら」
「できるぜー。俺、世話得意だから」
ヒラヒラと手を振りキルシュは話が終わったとばかりに足早に部屋を後にする。
「帰ったら、続きするか」
ニヤニヤと不敵な笑みを楽しげに浮かべ、キルシュは赤毛の青年が待つ自宅へと急ぐのだった。
時刻はもう明け方近く街を照らす太陽の光が徐々に見てきた頃、天剣の警備部の一角にある居住区の自宅へ戻ったキルシュは今までにない高揚感を感じていた。普段は寝るために自宅に帰るのを何とも思っていなかったが、今夜は違う。ドアを開けるカードキーを持つ手に力がこもり震えるのを感じる。早くベッドで寝ている「おもちゃ」で遊びたい子供の気分だった。ドアを開け寝室へ直行しベッドで寝ているはずのおもちゃを確認しようとした、が居ない。シーツの中かとめくるが居ない。
「どこ行った、あのブサイク」
クローゼットやリビング、風呂場やトイレさえも確認するが見当たらない。逃げたかと思うがセキュリティが厳重な建物なのでそれはなさそうだ。ふとリビングのカーテンが揺れているのに気付き、バルコニーへの扉を乱暴に開ける。端の方にモゾモゾと動くモノが見え声をかけてみる。
「おい、何してる」
「ひっ!」
青年が逃げてはいないのを確認したキルシュはズカズカと近付く。すると怯える青年はさらに震えて身を丸めた。朝日に照らされた青年の姿は適当に着たであろうキルシュのシャツはダボダボで、あちこちに縛られたり殴られたような鬱血跡が痛々しい。
キルシュは強引に脇を抱えて青年を持ち上げ覗き込む。身長は165cmほど。赤毛から覗く瞳は、右はアーモンド色、左は紫のオッドアイだ。髪と目の色は酷くアンバランスで、キルシュが【ブサイク】だと言った意図がわかる。容姿こそはやや端正だが普通だ。
青年は青ざめながら怯え、目からは大粒の涙が溢れる。だがその行為は逆効果で、キルシュにとっては被虐心をくすぐる。
「あーめちゃくちゃぶち犯したい」
「へあっ!?」
「心の声が漏れた。なぁブサイクくん、また可愛がってやるからベッド行くぞ」
「や、やだ• • •です。それに俺の名前は、【田中宝たなかたから】っていう・・」
「あ''ぁ!?」
「ぎゃっ!!!」
勝手に【田中宝】と名乗られキルシュは不機嫌になり、宝を抱えたままリビングに戻るとソファーへ乱暴に押し付ける。シャツを乱暴に引っ張り裂くと、首筋やら脇腹やら太腿など情事の後の鬱血した跡が残る細い身体があらわになった。自ら踏み荒らした青年の身体に満足し、眼鏡の奥の金目が光りキルシュは舌なめずりをする。
「気持ちよかったか」
「・・・よくない、です」
「自分から股開いてたのに」
「あ、あんたがしろって無理矢理!」
「あんたじゃない、俺はキルシュ。お前のご主人様。助けてやった時に言っただろ」
遡ること1日前、地下オークションで競売される異種混血児の情報を聞きそれを保護する任務を受けた。東京が隔離されてから中では異常な生き物が出現し始めた。中には人の姿で人間との混血を生み出すモノもいたのだ。キルシュは競売場に突撃した時に、殴られたのかあちこちに痣がありぐったりとした宝が檻に入れられていた。目隠しや手足を拘束された宝の保護に成功し、拘束具を取ったときの怯え顔を見てなぜか心臓が高鳴った。怯えた顔もいいが、アンバランスな見た目が気に入った。
焦って壊さないようにと出来るだけ優しいフリをして髪を撫でてやり、顎をそっと掴んで訪ねた。
「なぁ、一緒に来るか」
「っ!行く!」
言葉は短くほんの一瞬だったが、宝にとってこの場から救ってくれた天使に見えた。小柄な身体で精一杯キルシュにしがみつき顔を埋める。同行していた同僚はギョッとしたが、あのサディスト狂犬が「鼻水付くだろ汚え殴るぞ」と怒らずに優しく抱きしめている姿に唖然とした。
「よしよし、かわいいなお前。ペットにしてやるよ、今日から俺がご主人様だぞ」
明らかに不穏な意味が込められているが、ベタベタされるのが嫌いなキルシュはなぜか宝に抱きつかれても嫌な気はしなかった。一方言われたことを全く聞いていないか理解していない宝は、とにかく無我夢中でしがみついた。
どうやってその場からキルシュの自宅まで運ばれたのかも見えないほどに。
「着いたぞ、俺の奴隷くん。かわいがってやるからな、まずは風呂だ」
「?はい」
キルシュは誰にもやった事をない行為を次々と宝にしてやる。というより、基本的に自宅に誰も入れた事がない。風呂で髪や身体を洗い、自分のシャツを適当に着せて、歯磨きやら爪切りやらいたれりつくせりだ。しまいには軽めのご飯をスプーンで運んでやる始末。眠くなったのか宝はウトウトし始めた。キルシュはベッドに運んでやり、眠らせてやる• • •
はずはなかった。前髪を鷲掴みにし睨みつける。
「おい、なにテメー呑気に寝てんだ」
「え• • •」
「ヤるんだよ」
「ヤるって、なに• • •?」
「セックス」
「• • •、せっく• • •す」
「お前、俺が甲斐甲斐しく何のために世話してやったと思ってんだ。ところで、今何歳だ?」
「20歳です」
「ふーん、じゃあいいか」
「よくない!」
宝は成人しているようだ。セックスの意味くらいは理解しているだろう。キルシュは細い足首を掴み強引に開いた。下着を着けていないので前も後ろも丸見えだ。
「な、なにするっ• • •むぐっ!?」
宝は抵抗しようとするが口を大きな手で塞がれそれ以上喋る事ができない。
「お前、俺の奴隷になったんだから俺が何してもいいわけだ」
「むぐぐっ!?」
「抵抗してくれた方がなんか燃えるからそのままむぐむぐ言ってていいぞ」
「むぐー!!!」
むぐむぐ言う宝を他所にキルシュはウキウキと身体を撫で回し始める。右手は口を塞いでいるので、まずは左手で器用にシャツのボタンを外していく。顕になった宝の身体は細身で以前普通の生活していた頃もそんなに食べていなかったのだろうか。オークション会場で受けたであろう傷の跡が痛々しい。キルシュは傷跡を避け少し浮き出た肋骨の溝を指先で辿るように滑らせると、宝はビクビクと身体を震わせた。
「ん、ここ感じるのか?」
「んー!」
「そうか、うんか」
「• • •ウゥ」
明らかに違うだろうが構わずに撫でたり軽く引っ掻くフリをして弄ぶ。やがてその手は胸の尖りへ伸び、まずは抓った。
「ッ!」
「あぁ、いきなりはやっぱ無理か」
宝はマゾではなさそうだが、キルシュはドがつくほどのサディストなのでついいつもの調子で攻めようとした。一応命令で保護対象なのであんまりやり過ぎると面倒くさい、まずはお試しで優しくしてやる事にした。
胸の尖りをくりくりとこね回し様子を見ながら、次は溝内から臍まで撫でるように下ろしていき男ならだいたいは1番敏感なモノを指先でなぞる。宝は怯えているのか感じたのか目をぎゅっとつむり、ビクンと身体を跳ねさせた。
「見ろ」
たった一言の短い言葉だがその声色は凍るように冷たく心臓に突き刺さる。宝は目をそっと目を開けた。自分を見下ろす鋭い金目と目が合うと逸らすことができない。
「俺の目を見てろ」
「• • •ん」
コクリと頷くと満足したのか、再び下肢に甘い痺れが伝わってきた。まだ緩やかな宝のモノを器用な左手の親指でキルシュは先端を擦る。透明な液体が先端から溢れてくると今度は握って上下にしごき始めた。力はあまりこもっていないが強く握られたらと気が気でない。その行為はだんだん大胆になり、先端から裏まで撫でたり時々揉まれたりと熱をこもらせる。
静かな寝室に吐息とキルシュが手を動かす度にキシキシとベッドの音がかすかに響き渡る。
しかも見つめ合っているのでなおさら意識してしまう。
「ンッ• • •ふっ• • • っ• • •」
「気持ちいいか?」
「• • •ん」
気持ちよくないと答えればさらに酷いことされそうでなかば頷いたが、半分は気持ちいい素直な部分もあった。宝も一応れっきとした成人男性、性に対して経験あるかはわからないがソレを触られれば気持ちいい。
すると塞いでいた手をそっと離される。今まで鼻で呼吸していたので、口で息を吸えるようになるとはぁはぁと荒い息が出た。
「そういえば、名前なんだっけ?」
「はぁはぁ・・・宝・・・田中宝・・です」
「たから・・・か」
「・・・はい」
「ふーん。【宝】、気持ちいいか?」
「え・・・」
今まで【ブサイク】とか【奴隷】とか【ペット】とか人権のない名前で呼んでいたのに、突然人間らしく名前を【宝】と呼ぶキルシュに宝は戸惑う。目を逸らそうとすると強く尋ねられる。
「宝、気持ちいいか」
「・・・気持ち・・いい・・・うあっ!あっ、あっ!」
今度は素直に気持ちいいと意思を持つと、不意に下肢で好き勝手に弄られていた宝のモノが激しく上下に動かされ、溢れる精液の音がくちゃくちゃと粘着く音がする。あまりの刺激にやめてほしいとキルシュの腕を掴むが、両手をひと括りにされてシーツに縫い付けられてしまう。
目は合ったままかすかに笑って好き勝手するキルシュに思考がついていかず、宝はあきらめて快感に身を委ねる事にした。他人に触られるという自慰とは比べ物にならない感覚に宝は陥落した。
「んっ、あぁっ!気持ちいっ、い・・・イクッ!」
「・・・宝」
見覚えのある熱を先端から溢れさせ、耐えきれずに目をつぶってイッた宝はそのまま気絶した。意識が途切れる前に名前をまた呼ばれた気もしたが、とにかく色々な事がありすぎて疲れきった宝はそのまま目を閉じるのだった。
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