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途中、食事をおごっていただいて。
行きに拾ってもらったコンビニで別れた。
「家まで送るのにー」
「すぐそこなんで。こんなでけー車、道に入らねーよ」
「ぶー。……今日は本当にありがとうございました」
「こちらこそ逆に色々してもらっちゃって」
「いえいえ」
「いやいや」
深々とお互い、頭をさげる。まあ、色々あったけど………なんだかんだ、楽しかったよな。運転してる權さん、かっこよかった。私服見れたし。休みの日に、一緒にいられるってのも、幸せだったし。
「…………………じゃあ、まあ。……明日からはいつも通りで」
相手への確認というよりは、自分のために言葉を吐いた。
「うん、そうだね」
權さんはニッコリ笑う。
「これからも宜しくお願いします」
「お手柔らかにぃ」
「………ちょっと、なんすか。それこっちのセリフっしょ」
「怖いもん、ベンチャー企業の勢力」
「やってもやってもあんたら大手がかっさらうだろうが」
「いやあ、企画立案までしていただいたあとに、うちに回ってくるんで大助かりです」
「ぐあー腹立つ。結局クライアントの安心はそっちにあんだよなあ」
「でもほら、P社とかL社みたいに、うちが取引止めた会社なら全部そっちに行くでしょ。僕あーゆーのも逃がしちゃ駄目だと思うんだけどねえ……」
「おこぼれあざーす」
「そーゆーのが五年後十年後トップに立ってんだよ。あー、やだやだ」
「逆転のチャンスばらまいてくれてあざーす」
「上場してくんなよ」
「しまーす」
車を降りて、動き出すのを見送る。ヒラヒラと手を振るから、それを返す。くそ、可愛いかよ。コンビニで酒を買って、マンションへ戻った。
はーあ。
……………………………………。
いやいや、今日は楽しかった、で、終われ。
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