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品が運ばれてきて、落ち着いた頃、ようやく聰さんは話を切り出した。
奥の座席。
仕切りは一応あって、他のテーブルの話し声はざわめきに消される。
こちらが話していることも、よそに聞かれることはないだろう。
「まあ、普通に見たかったつーか。まさか兄ちゃんが男連れてくるとは思わなかったけど」
「あー、……ははは。まあ、普通そうですよね」
「マジに付き合ってんすか?」
「え?」
「んなわけないっすよね?」
射るような視線。楽しそうだな、おい。
「や、その、……………」
どっちだ。弟って。親側なのか。兄の味方か。
「………………付き合ってますよ」
全然誤魔化しきれてないぜ。
笑われた。
「っはは、あ、やべ、面白い。宇多島さんて。やー、ごめんなさい。あの、わかってますから。嘘っしょ、あれ」
「………ふざけてたわけではないんですけども、色々と事情……と言いますか、」
「あー、いいよいいよ。そんな気ぃ遣わなくて。つかオレ年下なんだし。そんなかしこまんなくても」
ヒラヒラと手をふって、弟さんは水を飲む。
「…………やっぱ騙せてないですよねぇ」
「どうかな。親父ガチキレてたし。信じたんじゃね?」
それは。
いいのか悪いのか。
ガチキレ。
「え、宇多島さんてホモ?」
「違います」
「あー。じゃ、やっぱり兄ちゃんに振り回されてんだ?」
「…………………………提案してきたのは權さんからですね」
「あっは、あー、ごめんね。あの人あーゆー人だから。なんつーの? グッダグッダのろのろしてるくせに突拍子ないっしょ」
「あー」
「シャキッとしねぇんだよなあ、ムカつくほどに」
「まー」
「だらしねえんだよ」
「………まあ、その………穏やかですよね。おおらかというか」
「言い回し絶妙だな。さすが営業」
楽しそうに聰さんは笑う。
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