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「あっはははは!」
「うわあすげーバカなこと言った! 恥ず……笑うなよ!」
「はははは! 定番かよ!」
「忘れろ!」
「やー、ちょっと、無理っすね。あは、もっかい言って」
「っ………忘れろ!」
逃げようとするので、ガッチリと抱きこんで離さない。どこのエロ漫画だよ。女でもそうそう言わないセリフ。
でも多分、あれが正直な感想だろう。
「もっかいしていいっすか」
「駄目」
「顔見せて」
「やだ」
暴れるので解放してやると、即座に逃げられた。そんなに恥ずかしいか。
また二人とも、横たわる。
「まー、でも。良かったじゃないですか。出来て」
「………………………………うん。ありがとう……」
「克服?」
「いや、自分からは出来ないし」
「まーそれは。………追々?」
「……………うん……」
え、マジか。していいのかよ。
ていうか、するつもりなのか。
これからも。
キス。
俺と?
「……………それに、多分。君とじゃなきゃ出来ない」
だから全然克服ではないのだと、權さんは小さく結論を呟いた。
それはどういう意味?
なんて、聞いたらややこしくなるので、あえて突っ込まないでおく。やっぱりしない、って言われても、やだし。俺としかしない、出来ないって、えろいな。俺専用。つーかもう、付き合えよ。
なんて、思う。実際、意味としては。
…………それ以前に、まったく相手にされてないって意味なんだろう。どうでもいい。練習台。やった、っていうカウントに入らないやつ。素人童貞みたいな。俺とのことなんて、この人はなんとも考えてない。感じない。…………そういうことだ。
もう一度。
權さんは。
ありがとうと俺に微笑んで、手を伸ばしてきてくれた。その手を握る。
「………………………………」
「………………………………」
足りなくて、抱きついた。
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