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【キセキ相棒】彼氏にしてほしい9つのこと、してもらいました【黒バス】
お姫様抱っこでエスコートされる→火黒
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「火神君……」
「……マジで、悪かった」
明日は一緒に出掛けましょうと約束したはずなのだけれども。
毎日練習、試合、帰ったら疲労と眠気に耐えながら夕飯とお風呂。そしてすぐにベッドへ潜り込む。そんな生活を送って1か月でした。
久々に部活が休みになり、やっと二人だけの時間を満喫できると思ったのに。1か月、たった1か月です。それだけであんなに目を鋭くさせて、僕の静止も聞かないで、身体を揺さぶり続けられました。
結局寝つけたのは、淡く日の光が窓に差し込み始めた時間です。
もちろん足腰は立ちませんし、声だった水を飲んでもガラガラのまま。体力が無いのだって火神君なら分かっていると思ったのですが。
ああ、バニラシェイクが恋しいです。
「黒子、怒ってるか……?」
「当たり前です。せっかくの休日だというのに」
そういえば、シュン、とどこかの犬を連想させるように「ごめん……」と呟きます。
試合中、あんなに大きく見える背中もこういう時だけは小さく可愛く見えてしまうのは僕だけの特権です。それを考えたら、少しだけ、少しだけですよ?優越感が出てきて、まあいいか、何て考えてしまいます。
これが惚れた弱み、というヤツでしょうか。
かれこれ30分弱。火神君が僕を起こしに来てくれて、そして僕がベッドから立とうとしないまま時間が過ぎていきます。時たま、優しく壊れ物を扱うかのように僕の髪を撫でてくる火神君も、手を出そうとは考えないようです。
ほら、またためらいがちに僕の頭へ大きな手を乗せる。
「フフッ」
「ん?」
「いや、幸せだなぁ、と」
思わず笑ってしまいました。
せっかくの休日を家で座ったまま過ごさなければいけない、というのは悔しいですが、でも火神君といられるのならば、それは小さな問題です。
大好きな人と、のんびり過ごすのも悪くないなと、思ったらすごくすごく、僕は幸せ者だなぁと感じました。
「俺も。……マジで、ごめんな。どっか行きたいとこあったんじゃねぇの?」
「大丈夫ですよ。その変わり、また今度、行きましょうね」
また謝る火神君に微笑んで、次の予定を取り付ければ、今度はいつも通りの笑顔で「おう!」と返事が返ってきました。
「火神君、大好きです」
その笑顔は、何故でしょうか。いつも可愛いなぁと思ってしまうんです。こんなに大きくて力強い身体をしているのですがね。
「!っし、じゃあ今日は俺がお前を運んでやるよ!」
その言葉と共に浮かんだ身体。いきなりで驚いて少し声をあげましたが、支えられているのが火神君の腕だと分かり、今度は顔が熱くなりました。
でも、まあ。家ですからね。誰も見ていませんし、いいかな、なんて。
僕とは違う、太くて大きな腕はとても安心できます。体重をいくらかけても、絶対に火神君は僕を落としたりしないでしょう。
ゆらゆらといつもより高い目線で運ばれるのも悪くないなと、つい顔が緩くなりました。
「何笑ってんだよ」
「いえ、別に。火神君、僕も夜の情事は嫌いではないんです。……今度は、もっと優しくお願いしますね」
そう、囁けば、今度は火神君の顔が赤くなる番でした。
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