アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
【キセキ相棒】彼氏にしてほしい9つのこと、してもらいました【黒バス】
ナンパしてきた男を追い払ってくれる→火黒
-
※女装、季節とか違う※
さて。
今日は8月2日。そうです。火神くんの誕生日です。ということなので、部活では僕達がお付き合いをしていることは公認になっているので、監督からニヤ気顔で部活休みということを伝えられました。なのでせっかくの休み、お誕生日なのでデートでもしようかと待ち合わせ場所で待機中です。
しかし僕の周りには大学生くらいかと思われるお兄さんが3人。金髪さんと茶髪さん2人です。火神くんはどこにいるのでしょうか。
「ねえねえ、君1人なの?俺らと遊ばない?」
これは世に言うナンパなのでしょうね。男の僕に何故ナンパを……?新手の詐欺でしょうか、と考えて今の僕の格好を思い出しました。ヒラヒラのスカート、少しヒールのついたパンプス。女装、というやつですね。
何故僕が女装をしているか、という所から話したほうが良いでしょうか?
これの原因は数日前の事です。いつもと違うコトをしてみようかと何だかんだよく遊ぶ高尾くんに相談してみました。
相談しようと思いついたあの日の僕にイグナイトしたいです。割と本気で。返ってきた言葉は、笑いを堪えているのか、震えた声で
「じょ、女装でも、してやれば……?ッブフォ」
というものでした。いえ、やはり笑いは堪えていませんでしたね。覚えていやがれ、です。
しかしやはりもう一度考えてみても良い案は思い浮かばず、結局、高尾くんに女装するための服を借りたり、化粧をしてもらったりしました。最初は笑っていた高尾くんも、最後には笑い疲れたのか真顔でしたね。
とまあ、こんな感じで僕は絶賛黒歴史製作中です。どっかのオッドアイさんやガングロさんに負けず劣らず、ですね。それにしてもしつこい。僕は男です。気づかないのでしょうか。
いえ、気づかれても困るのですが……。声はさすがに変えられないので出せないまま、ただ火神くんを待つばかりです。どこにいるんですか。遅いです。
「ねえ、聞いてる?」
金髪の人が何も言わない僕に痺れを切らしたのか、腕をつかんできました。
「いっ……」
「お、やっと声だしてくれたー。ねね、どう?俺らと遊ばない?」
「……っや」
腕を掴んでも気がつかないってどういうことですか。筋肉はあるでしょう。あるでしょう?
というか、顔近いです。少し、怖いかもしれませんね。
「おい」
「っ!」
後ろから聞こえてきたのは大好きな火神くんの声。本当に、遅いですね。
僕の前に見慣れた広い背中。ああ、やっぱり試合中でなくても火神くんはカッコいいのだなと改めて思いました。
それにしても、やっぱり女装していても僕だとすぐに気がついてきれるんですね。というか、気持ち悪いって言って見てみぬフリもしないとか、どんだけですか。いや、きっと気持ち悪いって思っても助けてはくれると思いますが、こうして、手をギュッと握って、なんてしないですよね。
「悪ぃんだけど、こいつ、俺の」
「は……?」
「つか、でか……!?」
「ほら、いくぞ黒子」
火神くんの身長に呆然としている3人にはまったく興味が無い、というように腕を引かれました。
もう少し不機嫌になるかな、とも思ったのですが……。
「火神くん……?」
「あー……もう少し人目が少ないところでな。つかお前、どうしたんだよそれ」
「……お誕生日プレゼントです。……どうぞ」
前を歩く火神くんが少し後ろを向いて、僕の隣に並びました。
スッと目を細めて見られて、ああ、やっぱりダメだったかなと思いましたが、その奥に見えた欲が正解だったことを知らせてくれました。どうぞ、と自分でも何を言っているのだろうと思いながら掴まれていた腕を解き、恋人つなぎに変えれば息を呑む音が聞こえました。
周りが引いた目を向けてこない、ということは結構僕の女装は様になっているのでしょうか?
それなら、いつもなら出来ないことをしてもいいかもしれませんね。せっかくのお誕生日ですし。
少しだけリップ音を出して見上げれば、きっと今日のデート場所は火神くんの家になるのでしょうね。
(それだけ、僕は愛されていると感じるから)
(相手がこいつに話しかけてしまう気持ちも、分からなくないから)
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
8 / 10