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プロローグ
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絶対に言えないけど……
お前に抱かれるのが好き……
幸せなまどろみの中、着替えを手渡されて現実に戻る。
『恋愛感情は持たない』
それは契約のようなものだった。
繰り返される関係の中で、線を引き間違えたのは俺のミス。愛と欲を切り離せなかった。
このままだと前の男の時と同じ末路を辿る。誤魔化さなければ側にはいられない。
帰りたくなくて受け取らずにいたら、溜息をつかれた。
地味に傷つく。でも、今日こそは――
「泊まっていっていい?」
恐る恐る聞いてみた。
「駄目」
予想通りの答えにがっかりする。
「なんでだよ。豹牙(ひょうが)が二回も三回もヤるから体がダルいんだ。抱き潰したんだから責任取れよ!」
怒っていると、一万円札を手渡された。
「タク代」
目の前にいるのは俺のセフレ。
これがお前の責任か。
冷たくて愛のない男である。
「…………もう、いい」
金は受け取らず、とぼとぼとカバンを手に取る。
落ち込みながら、マンションを出たって追いかけてきやしねぇ。
どうして俺は見極められなかったんだ。
手を出すべきじゃなかった。あんな男。
最初は、浮気をしていた彼氏と別れる為に関係を持っただけだった。
寂しくて……一人で立っていられなくて……
やめとけば良かったのに、何度も繰り返した。
『誰にも本気にならない』
そう言われていたから、お前を選んだ。
彼氏だった秋人を忘れさせてくれるなら、誰でも良かった。
誤算だったんだ。
生まれてしまった説明のできない気持ち。
今更、言えない。
――――お前の事が好きだなんて……
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