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〜恋side〜
「れーんー。」
風呂あがり、缶ビールを1本開けた琉が恋を呼ぶ。
「もう少し待ってください。」
手提げ袋の仕上げをしていた恋は、琉の方を見ることなくそう告げる。
すると琉がこちらに歩いてきて、後ろから抱きしめられた。
「缶片付けました?」
「……片してきます。」
クスリと笑って、琉がテーブルを片付けている間に、恋も仕上げを終わらせる。
「お疲れ様でした。」
隣に座った琉の頬にキスすると、琉は嬉しそうに顔を綻ばせて、抱きしめてきた。
「はー、寂しかった。恋と2週間も会えないとか……」
「大変だったでしょ?子どもたちの世話に、お仕事に……ありがとうございます。」
「いやいや。むしろいつも任せっぱなしでごめんな。」
こう言っているものの、琉は子育てにかなり協力的だ。
仕事をセーブしてくれたり、行事も予定が合えば見に行くし、ゴミ出しや洗い物など、仕事があってもできることは毎日してくれる。
昂の夜泣きが酷かった時期は、昼間に仕事を入れないようにし、恋の睡眠時間を作ってくれた。
「琉さんが旦那さんでよかった。」
「……なに、改めて。可愛すぎるんだけど。」
「ええ?俺もうアラフォーですよ。可愛いは無理ありません?」
「俺の恋はいつまでも可愛いの。まあ、歳重ねて美人でエッチな人妻感は出たけどな。」
「ねえ、それ喜んでいいの?」
若い頃より遠慮のない物言いは、2人の距離が縮まった証拠。
なんでも言いあって、時には喧嘩もするけれど、仲直りも早い。お互いの考えを尊重しあって、琉と恋はいいパートナー関係を築いていた。
「なぁ、恋?」
「なんですか?」
「いい?」
首筋にキスを落としながら、欲を孕んだ声で囁かれる。
すでに服の中に手が入ってきていて、やる気満々だ。
「もう、俺の返事関係ないじゃないですか。」
「だって久しぶりの恋見たら触りたくて……」
「ちゃんと避妊してね?」
「!もちろん。」
「あっ、ちょ、待って待って!ちゃんとベッド行きましょ?」
早速、とばかりに胸元に手を伸ばしてきた琉を止め、ミシンを片し始める。
「子どもたちもう寝てるんだろ?」
「いや、多分まだ起きてますよ。明日土曜で学校ないし。」
「瑠梨は?」
「空夜が面倒見てくれてます。いつ起きてくるかわからないし、リビングは絶対だめ。」
「はぁい、お母さん。」
「しっかりしてくださいね、お父さん。」
お互い言いあって、くすくす笑う。
ミシンを片付け終えると、琉と一緒に2階にあがった。
*
真夜中。
琉と何度か愛し合って、落ちるように眠りについていた恋は目を覚ました。
体は既に綺麗になっていて、隣では琉が眠っている。
起き上がり、パジャマを着て部屋をそっと出た。
子どもたちの部屋を覗くと、皆スヤスヤと寝息を立てていて、起こさないよう扉を閉める。
リビングに降りると、春陽がソファに座り込んで眠っていた。
「帰ってきたならベッドで寝ればいいのに。」
春陽と昂は同じ部屋だが、春陽が家で仕事するときに使っている書斎にもベッドは置いてあるし、客用に空いている部屋もある。
しかしそこまで恋が運ぶのはもう無理だし、仕方なく布団を持ってくることにした。
「疲れてるなぁ……明日は春陽の好きな物にしようか。」
クマができた目元を優しくなぞり、布団をかける。
起きる気配のない長男には、少し負担をかけているかもしれないな、と恋は思った。
春陽の今の仕事は、もちろん春陽が自分からやりたがったことではある。
しかし弟たちはまだ学生で、恋の手伝いをしてくれることも多い。
探偵との両立は体力が必要だろう。
「いつもありがとう、愛してるよ。」
額にそっとキスして、部屋に戻る。
こちらも疲れきって寝息を立てている琉に布団をかけ直し、隣に潜り込むと、琉の方にそっと身を寄せた。
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