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〜恋side〜
「貴也くんは赤津実家の方にいるんだっけ?」
「そうですよ。もう結婚して7年になりますけど、まだイチャイチャしてます、奏くんが。」
「奏くんがね?!」
思わず吹き出す小雪。
歳を重ねて貴也は落ち着き、子犬のように可愛かったのが、美人になった。
奏はといえば、外見的には大人の色気がくわわったものの、貴也溺愛は変わっていない。
むしろ、1度別れてしまったことで増した気さえする。
「まあ別れたのが堪えたんだろうけどねぇ。」
「そうですねえ。」
「てか結局あの2人ってなんで別れたの?」
「うーん、すれ違いの結果、って感じですけど……奏くんが浮気したと勘違いした貴也くんが別れようって言い出して、奏くんは貴也くんに好きな人ができたんだと勘違いして、すったもんだありましたね。」
「よく翔也さんが怒らなかったよね。」
「翔也さん、奏くんが浮気してなかったのは調べて知ってたみたいです。でもその後のことは恋人たちのことだしって口出ししなかったみたいで。」
「なるほどねぇ……そっから奏くんの自暴自棄?」
「そうです。もー女取っかえ引っ変え……琉さんが怒るからさらに悪化して……」
恋はその時のことを思い出して苦笑する。
「酒に溺れるわタバコは始めるわ、もー本当にグレたと思いました。」
「わははっ、そんなんだったんだ。」
すでにドイツに行っていた小雪は、奏のそんな様子を実際には見ていなかった。
この話がこんな風にできるようになったのは割と最近で、小雪に詳しい話をするのは初めてだ。
「そもそも浮気って勘違いされたのなんで?」
「いやぁ、奏くん仕事始めたてでめっちゃ忙しくて……ちょうど貴也くんと会えてなかったんです。そのタイミングで、変な女に引っかかったみたいで……」
「うっわ最悪じゃん。」
「まあ、奏くんモテるから……で、他の同僚の女性のおかげで誤解も解けて、すったもんだしましたけど、元サヤに収まりました。」
「なるほどねぇ。末弟の方は?」
「煌くんですか?こっちは亀の歩みでしたけど、上手くはいってますよ。ずっと平和です。今は同棲中。」
「へー!稔ちゃんはなかなか大変そうだと思ったけど……え、なに、赤津家にはスパダリの血が通ってんの?」
「え?琉さん見てもそれ言います?」
「ごめん訂正するわ。」
小雪の中では、いつまでもヘタレの琉のイメージが定着している。
恋と結婚するまでの間のことを、未だに言う時があるくらいだ。
恋としても、琉はスパダリのときもあるが、たまにヘタレで、抜けていて、甘えん坊さんな男である。
「まあ琉さんも、いい父親ではあるよね。」
「そうですね。家事とか手伝ってくれるし、仕事の合間にいろいろやってくれるので。」
「ま、真司くんもヘタレだけどなんだかんだ良くしてくれるよ。」
「ふふ、そうみたいですね。」
小雪の幸せそうな顔を見ていれば、それは容易に想像がついた。
「あ、そうだ。今度みんなでご飯どう?しばらく日本にいる予定だからさ。」
「ぜひ!この前楓と小雪さんの話したばかりだから、会いたがると思います。」
「ほんと?まあみんな子どもも大きいし、普通に会えるかな。」
「そうですね。傑が退院してからにしますか?」
「うん、その方がいいかも。」
「じゃあそういうことで。今日はうちでご飯食べます?」
「いいの?雪愛も喜ぶ。」
「はい。なんか食べたいものあります?」
「和食がいいー。」
「OKです。買い物行かないとですね。」
「じゃあ僕が買ってこようか?それか僕が2人見ててもいいけど。」
「明日の分も買っておきたいので、俺が行きます。」
「わかったー、じゃあ2人と遊んでるわ。」
小雪に2人を任せ、買い物に行った恋。
帰ってくると真司と雪愛もついていて、みんなでワイワイと料理をする。
その夜はにぎやかな食卓になり、子どもたちも久しぶりに会う小雪と楽しそうにしていた。
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