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〜空夜side〜
「お兄ー、入るよ。」
春陽からゲームを借りるため、書斎をノックして部屋に入る。
「おっ、どうした?」
「お兄、ゲームたくさん持ってたよね?」
「うん、まあまあ?どんなジャンルかにもよるけど。」
「ホラーゲームって、なんかいいのある?」
「ホラーゲーム?!空夜が?珍しいな。お友達とやるの?」
「うん。なんか、高校生っぽいお泊まり会かしたいんだって。部屋暗くしてホラーゲームやったら楽しいんじゃないかって言い出して。」
「ふはっ、俺高校生の時そんなことしなかったけど、なんかめちゃくちゃ楽しそうじゃん。うーん、かなり古いゲームだけど、こういうのとか?」
空夜もまだ持っている古めのゲーム機で操作できるものだ。
キャラクターを操り脱出するゲームで、ホラー要素もあり冒険要素もある。
「いいかも。」
「空夜やったことあったっけ?」
「ない、陸玖はやってた。」
「そっかそっか。まあ、好きに使っていいよ。あと、昂との部屋の方にあるパソコンに色んなゲームダウンロードしてあるから、そっち持ってってもいいし。」
「ほんと?ありがと!」
「んー、楽しんでな。」
とりあえず自分の部屋に行き、ゲーム機を持って皆がいる部屋に戻る。
「お!戻ってきた!」
既に部屋は暗くなっており、ジュースやお菓子が用意されている。
「お兄のおすすめ借りてきた。」
「……うわ。ガチのヤツじゃん。」
ホラーがあまり得意ではない昴流は顔を顰める。
一方兼はワクワクしているようで、楽しそうにパッケージを眺めている。
「京くんはホラー平気なの?」
ゲーム機と、しまってあったのを出してきた小さめのテレビを繋ぎ、皆で見れるように準備しながら聞いてみる。
「うーん、好きかどうかって言われたら別に好きじゃないけど、見てるのは楽しいかも。謎解決していくのとか、結構楽しいから。」
「なるほどー。俺もそのタイプだな。じゃあ、プレイヤーはかしけんにしよっかな。」
「え、俺やっていいの?きりちゃんゲームとかしたことないんでしょ?」
「いきなりはキツくね?操作とかわかんねえだろうし。」
「確かに……じゃあ俺がやってみて、行けそうだったらきりちゃんやってみる?」
「うん。そうしようかな!」
「昴流はマジで使いもんにならないと思うから。」
くすくす笑いながら言うと、仕方ねぇだろと昴流が拗ねる。
あまり苦手なもののない昴流の、唯一と言ってもいい弱点である。
「よし、じゃあやるぜ!」
空夜がセットし終えると兼がコントローラーを持って進めていく。
皆で操作を確認している間さえ、昴流は若干顔を背けていた。
「これって結構怖い?」
「うーん、俺もプレイはしたことないんだけど、動画とか見た感じはまあまあかな?」
「謎解き要素多いイメージだよなー!きりちゃん頭の回転早そうだし、俺に力貸してほしいぜ。」
「ふふ、回転早いかはわからないけど、一緒に考えるよ。」
「おーい昴流ー、見なくなるのが早い。」
「いやもう、だって雰囲気が怖ぇじゃんかよ。」
なんかんだとわちゃわちゃしながら、兼がゲームを進めていく。
「うっわ出たよ、出たでたでた。」
「いや、まだなんも出てないし。」
「いやいや!おるやん!!なんか吊られてるやん!!」
まだ操作の練習の段階で昴流は怖がっていて、空夜はそれをいじり倒す。
「あっ、それじゃない?」
「おぉー!!」
京と兼は黙々とゲームを進めていく。
「はぁー、マジでやだ……まだ怖くなるんだろ?」
「いや、だってまだ敵キャラでてないし。」
「いやいや!さっき殺されたじゃん!」
「あれただのヒルよ?!」
空夜と昴流のやり取りに京が笑い、兼は一切気にすることなくゲームを進め、それにまた昴流がビビって空夜が突っ込むという永遠ループである。
(京くん楽しそうでよかった。)
友人とのお泊まり会が初めてらしい京が楽しめるのなら、ある程度のことはどうでもいい。
昴流もホラーが苦手ではあるが、本気で嫌なら寝てしまうか部屋から出ているだろうから、この程度なら大丈夫だろう。
「えっ待て待て待て、今なんかおったやん!!!!」
「昴流が過敏すぎじゃない?」
「いや、でも今後ろにいたよね。」
「ほら見ろ!!!」
「いや、なんでそんなに俺に敵対的なの?」
「ええぇぇ……ここなにぃ……きりちゃぁん……」
4人でああだこうだと話し、時々昴流が叫び、それを空夜がいじって京が宥め、再び兼がわからないと嘆き。
そんなことを繰り返していればいつの間にかゲームはクリアしていて、時間も0時前。
「ゲームはまた明日にするか!」
「そうだね。昴流も限界迎えてるし。」
「昴流くん、大丈夫?」
「おぉ……大丈夫……」
「寝る前にちょっと違う話しようぜ!怖くてトイレ行けなくなりそうだ。」
「大賛成。」
昴流の食い気味の賛成により、4人は用意された布団に入って雑談を始めた。
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