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〜空夜side〜
「みんなは恋愛対象、性別どんな感じ?」
「俺あんま気にしねえ。」
「うーん……俺もかなぁ?今まで好きになった子いないからわからないけど……」
「え?!待って、その話は後で聞く。くうちゃんは?」
「気にしたことないけど……女の子の方が多いかも?」
「よし、順番に聞こう!!まずきりちゃん!好きになった子いないの?」
「うん。なんか、あんまりそういうのわかんなくて。」
好きな芸能人の話から、今度は自分たちの恋愛の話になった。
今や同性同士でも当たり前に結婚し子を成せることから、同性愛者でなくても、同性をパートナーに選ぶ人はそれなりの数いる。
その中には異性が怖い人や、同性との方が楽しく暮らしていけるという考えの人もいる。もちろん、両性愛者も存在する。
「恋愛感情がわかんないってこと?」
「うーん、そうなのかも?好きになるってどんな感じ?樫本くんは、好きな人いたことあるの?」
「えっ?!まあ、人並に?俺は異性が好きだなぁって思うから、男の子とは付き合ったことないし、好きだなって思ったことは無いけど……女の子のことは好きだなって思ったことあるよ。」
「友達とは何が違うの?」
「え、難しいっ……何が違うの?」
「えっ?俺に振るの?!」
突然話題を振られた空夜はどう答えようかと迷う。
「ドキドキしたり、キュンてしたりするとか……?うーん、言葉で説明するのすごく難しいんだけど。」
「ドキドキ、かぁ。」
京はあまりピンときていない様子だ。
「まあ、考えるより経験したら分かるんじゃね。経験しなかったらそれはそれだし。恋愛しなくても楽しく生きてけるって。」
「確かに!でもきりちゃん美人系だし、男女どっちからもモテそうなのになぁ!」
「そう?」
「確かに京くんは綺麗系だよね。」
「ダンスやってるときよく言われるかも。俺社交ダンスだと女性側踊るから。」
「えー!見てみたい!!」
「6月末に大会あるから、見に来る?」
「え!行きたい!!!」
「俺もちょっと見てみたいかも。フィギアの参考にしたいし。」
「部活なければ、見てみたいな。」
「じゃあ、正確な日程と時間決まったら教えるよ。」
社交ダンスというとまだ男女のイメージが強い。
今は同性同士のペアも増えているらしいとは聞いたことがある、程度だったから一度見てみたかった。
「話戻すけど、くうちゃんは?自分で告白する派?」
「うーん、告白されたことしかないかも……?女の子から告白されることが多いから、女の子と付き合ったことが多いって感じかな。でも付き合ってみないと好きって思えないんだよねぇ。」
「空夜は他人に興味ねえからな。」
「嘘、俺そんなふうに見えてる?」
「見えてるっつか、興味ねえだろ実際。」
「あー、まあ、関わらない人は比較的どうでもいいかも。」
「えーっ、くうちゃん結構ドライな感じか!」
「いや、昴流もそうだから。俺だけ冷たいやつみたいに言ってるけど。」
「きのちゃんもか!!!」
「俺は"木之本"の名前にばっか興味あるやつが嫌いなだけ。」
ズバッと言い切った昴流に、兼が大笑いする。
「はっきり言うじゃん!」
「事実だからな。」
「俺も昴流の気持ちはわかるよ。媚び媚びされてもドン引きっつか……普通に仲良くする分には別にいいし、赤津琉について聞かれるのも構わないんだけどな。」
「やけに取り入ろうとしてくるやつはちょっとな。」
「そうそう。」
「やっぱり芸能人を家族に持つと大変なんだね……」
「まあ、仕方ないよね。変に、こいつら調子乗ってるとか言われることもあるし。」
「あるな。俺の場合はフィギアで多少顔バレしてんのもあるかもしんねえけど。」
「あー、きのちゃん大会でメダルとか取ってたもんな!」
昴流はフィギアでそれなりの成績を残し続けている。
今はシーズンオフなので基礎練習が多めだが、大会が近くなれば夜遅くまで練習することもあるくらいだ。
「肩書きばっかりで、自分のこと見てもらえないのってちょっと悲しいよね。」
「そうだねー。好きな子とかに名前だけとか顔だけで見られてたらやだなぁ。」
「だから他人に興味なくなるんだよ、な、空夜。」
「そうかも。陸玖とかもっと酷いよ。全然人の名前覚えてないもん。」
「あいつは極端。普通に人覚えが悪い。」
「そうなんだ、ウケる。」
京にも笑われている陸玖は今頃隣でくしゃみでもしているだろう。
「そんなくうちゃんときのちゃんに好きな人出来たら、俺知りたい!!」
「あー?できたらまあ、かしけんには教えてやるわ。」
「やったぜ!くうちゃんときりちゃんもな?!」
「えっ、俺も?」
「京くんもかよ。」
「皆の恋を応援したいじゃんか!」
ふんっ!となぜか気合いを入れる兼に3人で笑う。
「はーぁ、そろそろ寝ようぜ。話はまた明日。」
「そうだね。俺も眠くなってきた。」
「きりちゃん目が眠そう。」
「じゃあ寝るか。おやすみ!」
皆きちんと布団に入り、会話をやめる。
静かになった部屋の中、空夜はいつの間にか眠りに落ちていた。
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