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~空夜side~
(人多っ……)
家に着いてすぐそう思った。
明希や千秋はもちろん楓、小雪、傑などもきていて、かなりにぎやかだ。
今は見当たらないがおそらくパートナーたちも来るだろうからかなり人数が多い。
「あれ、空夜一緒だったの?おかえり。」
母、恋はバタバタと準備していてそれを春陽が手伝っている。
「なにか手伝う?」
「みんなに飲み物出してくれる?」
「わかった。」
「あとね悪いんだけど、今日は子どもたちみんなで明希たちの家に泊まってくれる?」
「え、別にいいけど、どうしたの?」
不思議に思って尋ねると恋は苦笑いする。
「お父さんだけなんとかするけど、さすがに皆のことまでは管理できる自信ないから……ごめんね、こんなこと言って。」
「お母さんのせいじゃないし、気にしないで。」
琉たちには困ったものだが、恋たちは悪くない。
「春陽にもお願いしてあるけど、小さい子たちの面倒見てあげてね。」
「うん。もちろん、任せて。」
「ありがとう。琉さんたちにはこのシャンパン、みんなにはお茶とジュース持って行って、どっちがいいか聞いてくれる?」
「うん。」
頼まれたものをお盆において、グラスと一緒にもっていく。
「はいお父さん。」
「お、ありがとう。賢杜くんも飲むよね?」
「はい、いただきます。」
「圭吾さんは?」
「飲もうかな。」
「おいこらてめぇ、泊まる気満々で話し進めんな。」
圭吾が傑に怒られているが、恋はこういう展開も予想していたようだ。
(泊まると思ってるから、俺たちを別のとこに行かせるんだもんな。)
こちらは放っておくことにして、お酒を飲まない人たちにジュースかお茶か聞いてまわってコップに注いでいく。
「昴流はどうする?」
「俺お茶。新もうすぐ着くってよ。」
「わかった。」
恋に伝えると洸大や紘、真司もそろそろ着くらしく、料理を準備することにした。
今日は鉄板焼きらしく、肉や魚介類、野菜がテーブルに並んでいる。
「春陽、瑠梨たち呼んできてくれる?」
「はーい。」
春陽が2階に上がっていってすぐ、チャイムがなる。
「俺出るよ。」
手がふさがっている恋の代わりに玄関に向かう。
扉を開けると紘と洸大がいた。
「お。空夜、久しぶりだな。」
「こんばんは、紘さん。洸大さんもこんばんは。」
「こんばんは。」
2人をつれてリビングに戻る。
紘は千秋にキスをして琉たちと合流する。あまりに自然な流れすぎて、誰も何も言わない。
恋たちの話では渡米していた時期があったらしく、帰ってきて以来千秋へのスキンシップがすごいらしい。
「洸ちゃんお疲れ様。先に抜けちゃってごめんね。」
「平気だよ。」
相変わらず甘い雰囲気を出している2人にいたたまれなくなり、空夜は昴流と陸玖が話しているところに合流した。
「お疲れ。」
「新まだだったの?」
陸玖に聞かれて頷く。
昴流がコップにお茶を入れて渡してくれた。
「なんか今日は昴流ん家だってな。」
「おー。まあこんだけいたら、アイツも止めきれないだろうしな。」
そういったことへの理性に関しては、昴流も父親への信頼は固いようだ。しかし、恋も言っていた通り人数が多い。
「そうだねー。」
うんうん頷く陸玖のスマホが震え、新からのメッセージが表示される。
「お、着いたって。」
「鍵開けてくるね。」
空夜は再び席を立ち、扉を開けにいった。
「よ。」
「お疲れ。部活?」
「そうそう。」
「荷物預かるよ。」
「あ、ありがと。」
昴流の荷物が置いてある1階の書斎に新の荷物も置いて、2人で陸玖たちのところに戻る。
春陽と昴、瑠梨もおりてきていて、瑛斗と一緒にジュースを選んでいた。
「あれ颯(はやて)たちは?」
颯は新の弟で、笹倉家には颯のほかにもう一人弟と、生まれたばかりの妹がいる。
「颯は友達と泊まり。澄(ますみ)と花穂(かほ)はおじいちゃんたちと遊ぶっていって一緒に出掛けて行った。」
「そっか。なら安心だね。」
「まあ、うちは空夜たちのとこと違って父さんがポンコツだからな。」
けっ、と馬鹿にしたように言う新に空夜たちは苦笑した。
しかし圭吾は実際、傑が関わると本当にポンコツなのを新から聞かされているので、誰も否定はできなかった。
「でも俺らも集まってお泊りとか久しぶりじゃね?」
「だな。明日も普通に学校だけど。」
そう言う陸玖と新は部活の朝練もある。
「母さんが洗濯機使っていいって言ってたから、洗濯はうちでできる。着替えは陸玖と空夜は持って行って、新は俺の貸す。」
「助かる。荷物多くて持っていくの諦めたんだよ。」
またチャイムが鳴って、今度は恋が出る。
真司が一緒に戻ってきて、全員そろったようだ。
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