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〜空夜side〜
21時半頃、新と傑が帰ってきて、空夜たちはすぐに木之本家に移動した。
春陽と瑛斗、瑠梨はすでに木之本家に行っている。
必要なものを持って家に行くと春陽がリビングに一人でいた。
「あれ、お兄1人?」
「ん?うん。2人とも疲れてたのかお風呂入って歯磨きしたらすぐ寝た。」
「なるほどね。」
「俺少し仕事するから、2人起こすと悪いと思って……もしかしてここで話す?」
「いや、昴流の部屋行くから平気。」
「春兄あんま無理しないでよ。」
「ありがと。2人とも久しぶりに昴流くんたちとお泊まりでしょ?楽しんで。」
先に部屋に入った昴流と新を追って空夜たちも部屋に行く。
「先風呂入るか。」
「だな。空夜と陸玖先行ってこいよ。」
「んー、おけー。」
「お先に。」
この幼馴染メンバーだと、一緒にお風呂に入るのも恥ずかしいだとか気まずいだとかいうことがない。
風呂の広さ的に2人ずつ入ることになった。
全員入浴を済ませて、冷凍庫にしまっておいたアイスを取りだしてきて食べながら話をする。
「なんかまじで久しぶり。」
「いや、学校で毎日あってるけどな?」
「そりゃ、俺と陸玖とか、空夜と昴流とかは会ってるけどさ。あー、あと昴流とはまあ会うか。」
「生徒会あるからな。でも俺は陸玖とは全然会ってない感じがする。」
「俺も空夜と会ってない感じする。」
「実際あんまり会えないよね。お互い忙しいし、体育の授業の時くらい?」
「それな。みんな最近どうなん?陸玖はクラスで相変わらずだけどさ。」
隣のクラスとはいえ、クラスの雰囲気はお互いよく分からない。
「別に普通だろ。空夜も俺も。」
「そうだね。特に変わったこともないし。」
「まあ2年だしな。なんとなく知った顔ばっかだよな。」
「B組の話、俺は結構聞くよ。ゆうくんから。」
「前も出てきたけど、そのゆうくんって誰だよ。」
昴流が心底不思議そうに尋ねると、陸玖は信じられないといった顔をした。
「陸玖、普通ゆうくんてピンとくる人はいないと思うよ。」
「えぇ?!新はわかるよなっ?なっ?」
「いや、わかんねぇけど。」
「ええっ?!」
「いいからさっさと誰なのか言えよ、気になるだろ。」
「昴流冷たい……篠田悠平だよ。」
「篠田……篠田?!あいつが"ゆうくん"?そんな呼ばれ方してるの聞いたことないんだけど。」
「俺も呼んでるやつ見たことねぇわ……」
「そりゃそうだよ、陸玖しかその呼び方してないもん。」
「「やっぱりそうか。」」
空夜の方を2人が見て、ぴったり揃ってそう言う。
「あのガタイの良さで、強面のあいつを"ゆうくん"呼びする度胸なんて、普通ないよな……」
「やっぱゆうくんって昴流でも怖いんだ。」
「は?いや、怖くはねぇよ。強面だってだけで。別に普通にいいやつだし。」
「えっ?」
「えってなんだよ。」
「昴流は怒られたことないの?」
「おこられ……?いや、ないけど。」
「えぇっ?!俺めっちゃ暴言吐かれる……」
「ぶっ、あははははは!」
しょぼん、と落ち込んだ陸玖に対して、新が爆笑する。
「なんで笑うんだよ!」
「いや、くくっ、そりゃ怒られんのは、陸玖がヘタレだからだろ。」
「そっ、そんなことないしっ!」
「野球やってるときの陸玖はちょっと頼りないよね。」
「空夜まで?!」
陸玖には悪いが、事実である。
「そもそも篠田ってそんなに気短いように見えないし、クラスでもみんなと仲良いぜ。」
「女子から聞く話でも、篠田は優しいらしいからな。」
新は女子とも仲が良く、様々な情報に詳しい。
「ふふん、ゆうくんなんだから当たり前だろ。」
「なんでお前がドヤ顔なんだよ……意味わからん。」
「痛い!」
ぺちん、と叩かれた陸玖は新の方を見て文句を言うが、新は笑うだけだ。
「あ、でもみんな、ゆうくんのこと好きになったらダメだから!ゆうくんは俺のなんだから。」
「「「は??」」」
3人の返事が見事に被り、陸玖はきょとんとする。
しかし今の発言は空夜も初耳だし、聞き捨てならなかった。
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