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※ド下ネタ注意
〜空夜side〜
「篠田くんのこと好きだったの?」
「え、そうだけど?」
当たり前でしょ、という顔をしてくる陸玖だが、空夜も聞いたことがないし、昴流や新も知っていた様子ではない。
「いつから?」
「うーん、結構前から?一目惚れだし。」
「へぇ……初耳。」
「あれ、空夜には言ってなかったっけ?」
「聞いてないよ。」
「そうだっけー?じゃあ今言った。」
「篠田かぁ……お前、そっちか。」
新がそう言ってニマニマ笑う。
「そっちって?」
「おま、察しろよな。」
「……お前がボトムかってこと。」
昴流がそう言うと、陸玖はポカンとした顔をした。
「は、え?まさか分かってない?そんなことねぇよな?俺ら健全な男子高校生だぞ?昴流ですら興味あるんだぞ?」
「いや、え?なんで俺がボトムなの?」
「え?篠田が好きなんだろ?」
「うん、そうだけど。」
「だから篠田に抱かれたいんだろ?」
陸玖は頭の上にはてなでも浮かんでいるような、心底意味がわからない、といった顔をする。
「なんで??」
「なんで????なんでとは?」
「え、だって、俺がゆうくんのこと抱きたい。えっちの話でしょ?えっちするなら俺がゆうくんにいれたい。」
「おま、何言ってんのかわかってんの?」
「え、わかってるよ。ゆうくんにちんこ突っ込みたいって言ってる。」
「もう少しオブラートに包めよ……」
昴流がため息をつくも、陸玖と新は気にする素振りを見せない。
「まじで?!あいつに突っ込みたいの?マジか?!」
「うん。だってゆうくん可愛いじゃん。」
大真面目な顔でそう言った陸玖に、新は口をあんぐり開けた。
昴流は突っ込むのをやめたらしい。
「可愛い?お前、目イカれたんか??あいつは確かに顔はいい方だけど、男らしさの方がどうみても勝ってんだろ?!別にその男らしいやつを抱きたいってのは、まあ、人の趣味だからいいわ!可愛いはお前、あいつへの褒め言葉になってねぇよ。」
「新はゆうくんの見た目しか知らないからだよ。本当は可愛くて、優しくて、聖母みたいで……」
むふふ、と嬉しそうに話す陸玖だが、空夜でも『聖母みたい』がおかしいというのは分かる。
それは確実に陸玖のフィルターがかかっている。
「まあ、内面が可愛いってのは、あんのかもな。俺たちは篠田とめちゃくちゃ仲良いわけじゃないし。」
昴流の言うことは最もだ。
恋人にだけ甘える可愛い男の人、なんてのは昔からよくある話である。
「まあ、まあなぁ……それはあるかもしんねぇな。」
「聖母みたいは本人に言わない方がいいと思うけどね。」
「えぇ?!聖母なのに?!」
「本人反応しにくいと思うよ?」
「うーん?空夜が言うならそうなんかなぁ。」
「空夜に言われなくても遠慮してくれ頼むから。」
新がそう言って頭を抱えた。
恋は盲目とはよく言ったものだ。
「てか好きなら告ればいいじゃん。」
「告った。」
新が飲んだ麦茶をごふっ、と吹き出す。
汚い。
「な、お前はさぁ……いきなり爆弾ぶっ込むのやめろよな。」
「新が告ればって言うから……」
「いや……もう付き合ってんなら最初からそう言えよ。」
「振られてるよ?」
平然とそう答える陸玖に、さすがの空夜もなんと答えたらいいのか分からない。
双子だから大体考えることはわかったりするのだけれど、これはわからない。
「振られてる……?よくそんな、なんでもねぇことみたいに言えんな……」
「うん、だって1年生の時の話だし。」
「1回告って振られたら、普通気まずくね?つぅか諦めんだろ。」
「新はその人のことめちゃくちゃ好きでも諦めんの?」
「そこまで好きになったことねぇからわからんけど……気まずいのは気まずいだろ。」
「うーん?初対面でいきなり好きですって言っちゃったから、まあ振られて当たり前というか……出直してこい!ってビンタくらったんだよなぁ。」
思い出しているのか、陸玖は苦笑する。
「あー、そういう系か……」
「だったらもう1回告白しなおせば?もう関係はできてんだし、前とは違うだろ。」
「昴流ぅ……それができたら俺は苦労してない……」
「あはは……今の野球部、恋愛禁止だもんね。」
「そうなのか。」
「そういえば監督変わってたな。」
「そう、そうなんだよ!!!」
昨年地区大会でいい成績を残した茅野学園高校野球部は、過去に甲子園出場歴もあったことから注目され、学校側も力を入れている。
外部から呼んだ監督に変わり、恋愛に時間を取られている暇はない、とのことで基本的に恋愛は禁止らしい。
「まあモチベーションが上がるならってことで、報告すればOKみたいなとこもあるんだけど……ゆうくん真面目だからさぁ?」
「そんなことしてる場合じゃないって突っぱねられる可能性あんのか。」
「そう……はぁぁぁぁ……俺がそうこうしている間にもゆうくんの人気が高まってしまわないか心配で……幸いにも告白されたとしても断ってくれる可能性の方がかなり高いというのは安心ポイントなんだけど……」
「なんか、陸玖も苦労してんのな。」
「新は俺のことなんだと思ってんの?」
ぽん、と肩を叩く新を、陸玖はジトッと睨んだ。
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