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〜空夜side〜
6月23日
「それじゃ、文化祭の出し物について話し合いたいと思います。」
水曜日のLHR。
1学期の期末テストまであと2週間を切ったが、そのテストが終われば夏休み、それが明ければ文化祭も近い。
事前にどんなジャンルの出し物をするかについては話し合い、実行委員会の方で調整を行った。
今回は具体的なプランについて練り上げる段階だ。
空夜と琳が取り仕切る部分になる。
「うちのクラスは体育館演目で立候補して、それが無事に通ったのでその内容について詳しく決めていきます。」
琳が司会をして、空夜が黒板とノートに記録をとっていく。
「例年体育館演目でやってるのは、ダンス、巨大書道、ライブなんかです。演劇は別ジャンルになるのでNG。体育館演目ができるのは学年に1クラスで、できるだけ別の演目をやるように言われてるけど、被ってもそのまま通るらしいので、ここでほぼ決定します。なにかやりたいことある人いたら、挙手でお願いします。」
そうは言っても、いきなりは手があがらない。
空夜と琳もそれは予測済みだ。
「えーと、うちのクラスは生徒会長もいるし、文化祭で発表する系の部活の人が多いから、絶対全員集まらないと練習できないとか完成できないっていうものはきついと思う。もちろん当日は大丈夫だと思うけど、準備中、個人で練習したり、できる人で準備すればやれそうなのがいいと思う!それも踏まえて、友達とも話して意見出して欲しいです。」
書道なんかは全員で練習する機会が多くないと難しい。
個人で練習しても、結局は全員で書く練習が1番大事だからだ。
その点ダンスやライブなら自分たちで先に練習を重ね、学校が始まってから合わせても遅くはない。
「はーい。」
亜美香が手を挙げたので、指名する。
「ダンスとかいいと思いまぁす。うちのクラスはダンス部多いし、音楽系のセンスある人もたくさんいるし。京くんがいるから、男子を引っ張る人もいて、練習もしやすいと思いまぁす。」
合唱コン以降、なんだかんだで亜美香と京は仲良くしている。
京は『俺?』という顔をしているが、空夜も亜美香の意見には概ね賛成だ。
「俺もダンスさんせーい!楽しそうだし!全員で踊るとこと、パートで踊るとこにしたら、パートだけ集まれれば練習できたりするんじゃね?」
文化祭の実行委員の方を務めている裕貴がニコニコしながらガバッと手を挙げる。
他のクラスメイトたちも、その他の意見がないこともあり賛成のムードが高まってきた。
「それじゃ、ダンスでいいですか?」
クラスで拍手が起こり、これで決定のようだ。
「じゃあ中身を具体的に決めないとだね。裕貴がさっき言ったけど、パートごとと全体に分けて踊るっていうのが1つ。他になにか意見ある人いる?できたらダンス部の意見も聞きたいな。」
「はーい。パートごとって男女一緒にすんのか、それとも別にするのか、パートは何個作るのかとかにわけて考えたら?パート分けないってのも1個案として。表みたいにして。」
「OK書いてみるね。」
優子が意見を出してくれたので、空夜がその通りに表を書いていく。
男女わけるパターンとごちゃ混ぜにするパターン、それからパートを分けないものと、2つにするもの、3つにするもの、4つにするもの、6つにするものにわけた。
5つは人数バランスが悪いということで除外された。
「それじゃこれについて、意見ある人どんどん言って欲しい!空夜くん、意見拾って書いてってもらっていい?」
「うん。」
クラスの皆が色々考えて言ってくれることを簡潔にまとめて黒板に書いていく。
2つや3つだと人数が結局多くなってしまうので、パート分けにする意味が無いだとか、男女ごっちゃだと練習しにくくないか、とか。
「そしたら、男女は別で、それぞれを3パートずつに分ける6グループ、でどうでしょうか!」
琳がそうまとめるとまた拍手が起こった。
「はいはーい!それならダンスバトルっぽくするのはどう?」
優子がまた手を挙げて意見を出してくれる。
1番前の角の席だからか目も合うし話しやすい。
「ダンスバトル?」
「そうそう!男女にわけたから、1組ずつ男女で向き合って、交互に踊るみたいな!で最後はその2グループで合わせて踊ってもいいし、すぐ次のグループに交代して、最後に全員集合みたいなのもいいと思うし!」
「それかっこいいね!」
「面白そうー!」
先程までは不安そうだった何人かのクラスメイトたちも頷いているので、空夜と琳はこれがいいのではないかと結論づけた。
「じゃあダンスバトル形式で3組やって、最後には全員で踊る感じで!それぞれの組でのやり方は任せる感じにしたいな。問題はその組をどう作るかだよね……」
「うーん、せっかくグループに分けるなら、集まって練習しやすいメンバーがいいよね。」
「確かに……じゃあ、ここはみんなで話し合って、仲良い人とか部活同じ人とかで組む感じにしようかな。」
「はーい!」
「おっけー!」
「とりあえず男女に分かれてもらって、それぞれで3組ずつ決めてください!」
そう言われてクラスの皆が席を移動して男女になんとなくわかれる。
「えっと、じゃあ男子は7人ずつのグループになってもらう感じで……えっと、そうだな……ダンス部は京くんだけだよね。」
「そうだね。でも司が外でダンス習ってたよね!」
宏樹が指名した柊木司(ひいらぎつかさ)は部活はテニス部だ。
「うん、習ってるー。京くんとはわかれた方がいい?」
「そうしてくれると助かる!あとはダンス得意な人いる?」
空夜がそう聞いても反応はイマイチだ。
「きのちゃんは?」
「あのなぁかしけん、ダンスとフィギアは違ぇの。」
「えー?でもきりちゃんのダンス参考になるんだろ?」
「それは社交ダンスだから。ヒップホップとかはジャンルが違ぇの。」
「でも踊れるんじゃないのか?」
「踊れはするかもしれないけど……空夜が探してんのは振り付けを考えられるやつだろ。各グループのリーダーにする。な?」
「うん、そうなんだよ。」
「じゃあ俺やろっか?一応中学まではダンス部だったし!でも全部考えんのきついから、京くんとか司くんに手伝って欲しい!」
裕貴がそう言ってくれて、京と司も快諾したため、その3人を軸にグループを作ることに決まった。
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