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~京side~
空夜『【至急】お話させてください』
(なんだろ?)
まだ電車に乗っている時、黎と空夜と3人のグループに空夜からのLINE。
れい『どうしたの?』
れい『ゆっくり話すなら夜の方が空いてるけど、今も話聞けるよ』
空夜『京くんは?』
ぽん、ぽん、と連続で来る通知。
今は電車だから、夜なら大丈夫だと返事をすると、空夜が改めてその時間に連絡するということになった。
(うーん、なんかあったかな?村田くんと一緒に帰ってたから、変なことには巻き込まれてないと思うんだけど……)
バイブで再び通知が来て、スマホを開く。
すばる『今日はお疲れ様』
すばる『この曲聞いた?めっちゃ良かった』
そういえば、朝に京が返事をしてそのままだった。
話が終わりそうだなぁと思っても、何かしらで昴流が返事してくれることが多く、会話は思ったより続いていた。
もちろん途切れることもあるのだが、好きなアーティストやバンドがいくつか被っているため、その話で再び話すようになる、といった感じだ。
今回も曲のリンクが貼られている。
昴流との会話は気楽だった。
返せる時に返す、というのが2人の暗黙のルール。1日1回もやり取りしない日もあれば、1時間の間に何度も何度もやり取りすることもある。
盛り上がってくると電話をすることもあった。
(……やっぱ好きなのかな。)
胸がムズムズするような、不思議な感じだった。
昴流に頭を撫でられたときも、褒められたときも、昴流が楽しそうに笑っている顔を見たときも、不思議な感じがした。
ぼーっとしていると最寄り駅についていて、京は慌てて降りた。
*
~空夜side~
夜、陸玖は悠平と夕食を済ませてくるので遅くなるとわかっていた空夜は、自分の部屋に戻って京と黎にLINEをした。
『俺にしないか。』
そう言われたのが、どういう意味がわからなくて、聞き返すと告白された。
クラスが同じになって一目惚れしたこと、その後関わるうちにどんどん好きになったこと。
航と付き合っていないのなら、自分のことも考えてみてほしいこと。
俊哉は言葉を選びながら伝えてくれた。
すぐに結論を出さなくてもいいと言われた。
振ってもらっても構わないとも言われている。
航よりももっと、恋愛対象として見ていなかった人物からの告白。
正直頭が混乱している。
2人から返事がきて、グループ通話をすることになった。
「あ、もしもし。2人とも急にごめんね。」
『ううん、大丈夫だよ。どうかしたの?』
『空夜、なにかあった?』
「あの、実は……告白、されて。」
『えっ?野田くんじゃない人に?』
黎は俊哉のことをあまり知らない。
航と、この前会った時にいたメンバーしかわからないだろう。
『もしかして、それって村田くん?』
「うん、そうなの……帰りに、航と付き合ってないなら俺にしないかって。」
『えーっ!すごい、かっこいい告白。』
『村田くん、結構前から空夜くんのこと好きだったみたいだからなぁ……』
『あっ、じゃあもしかして、野田くんとのことで空夜くんが傷ついたと思って、俺にしとけ、ってことかな?』
「えっ、そういうことなの?」
『そうかもね。』
『ところで、その村田くん?ってどんな人?はると仲良い?』
「いやぁ、小野くんとはそんなに関わりないと思うなぁ。同じクラスで、硬派な感じかな。」
『村田くんは口数は少ないけど優しくていい人だよ。』
『そうなんだ。野田くんとのことも保留にしてるのに、また空夜の悩みが増えちゃったね。』
「すぐに結論を出さなくてもいいとは言われたんだけど、どうしたらいいんだこれ……俺、もしかしてモテ期?」
『あはは、そうかもね。』
黎が笑うが、モテても空夜は困ってしまう。
『野田くんと村田くんなら、空夜はどっちが好きなの?やっぱり野田くん?』
「それが、ちょっとわかんなくて。」
航への気持ちは、美紅のことでふわふわしていて、それに加えて俊哉からの告白。
航に抱いている感情が恋愛感情なのが、自信がなくなってきた。
『どっちと付き合ってもいいし、どっちとも付き合わなくてもいいわけだし……空夜くんは、1回頭空っぽにして2人と関わってみてもいいかも……?』
『そうだね。俺もはるに告白された時、最初はよくわからなくて……幼馴染だったし、恋愛と友情の区別ができなかったんだよね。でも、ある時ふと、好きだなぁってなったから、焦らなくても大丈夫だよ。』
「そっかぁ……そうだよなぁ。航を待ってる、って言ったから……その間にちゃんと考えるよ。」
航への気持ちも、俊哉への返事も、空夜は1度ゼロから考えることにした。
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