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~空夜side~
「空夜!」
「黎くん!今京くんも呼んでくるね!」
「あ、一緒に行くよ。」
部活とクラスの講演が終わり、昴流と俊哉を待っていた時に黎と遭遇した。
どうやら智陽とはもう会ったらしい。
「黎くん、来てたんだね!」
「うん。京たちの公演見てたよ。すごかった!」
「ありがとう。」
「昴流くんともチーム同じだったんだね?」
ニヤニヤと笑う黎は、京が昴流のことを気になっているのを知っている。
「えっ、あ、うんっ……」
「この後一緒にまわるんだよ。」
「え?そうなの?わー!チャンスだねっ!」
「空夜くんだって、俊哉くんとまわるんだから。」
「いいないいなっ!2人とも楽しんで!」
黎はいわゆる恋バナが好きらしい。
しかし人見知りなせいで、なかなか話せる友人がおらず、京と空夜と話せることを喜んでいた。
「小野くんとはまわらないの?」
「はるはクラスの仕事があるから……夜ご飯一緒に食べる約束してるからいいんだ。」
少し恥ずかしそうに微笑む黎が可愛くて、京と2人で顔を見合わせてにやけてしまう。
「あっ、なに2人ともニヤけてるのっ!」
「黎くんって心開いたら可愛いんだなって。」
「ほんと、空夜くんの言う通りだね。小野くん心配するんじゃない?」
「大丈夫、だと思うよ?はるはあんまり嫉妬とかしないし……」
(……それ、絶対見せないようにしてるだけだよな。)
そう思ったけれど、今はまだ言わなくてもいいか、と黙っておく。
「京、空夜、お待たせ。」
「あれ?あぁ、智陽の……」
「あ、こんにちは。ごめんね、邪魔して!」
「別に、聞いてたし大丈夫だけど……お前ら仲良かったの?」
空夜の方を向いてそう聞いてくる昴流に頷く。
「うん、この前会った後、LINE交換して……それで仲良くなったんだ。」
「ほーん。」
俊哉はぺこりと頭を下げただけで、何も言わない。
「じゃあ、2人とも楽しんでね!あとでまた連絡する。」
本当に少し会っただけで行ってしまったけれど、よかったのだろうか。
「んじゃ行くか。どっか行きたいとこあんの?」
「俺お腹すいた。」
「俺も。昴流くんと村田くんは?」
「俺も腹減った。なんか食いたい。」
「……じゃあ、A組行くか?陸玖たちの顔見るついでに、なんか食う?」
「あ、そうだね。昨日行けなかったし、空夜くん行きたがってたもんね。」
「でも、いいの?他のところでもいいんだよ?」
「俺も陸玖の顔みたいしいいよ。」
「うん。俺、どこでもいいから大丈夫。」
昴流と京がそう言ってくれた。
何も言わない俊哉が心配になって、空夜は俊哉の方を向く。
「俺は、空夜が行きたいところでいい。」
俊哉はそう言いながら優しい顔をしていて、空夜は少し驚いた。
あまり表情が変わらない俊哉の優しい顔が、自分に向けられているというだけで、好意を感じる。
「んじゃ行くか。」
4人でダンスの話をしながらA組に向かう。
あれがよかっただとか、これが上手くいっただとか、みんな満足いくものになったようだ。
「うわ、めっちゃ混んでるな。」
「ここ人気だって、宏樹から聞いた。」
「そうなん?俺昨日はこっちの方全く見てないからな……空夜と京は昨日来たんだよな?」
「うん、1回ここに顔出したよ。」
「その時も混んでたよね。それで明日にしようって空夜くんと話して、行くのやめたんだ。」
「なるほどな。こりゃ確かに昨日の公演終わりからはきついわ。」
「とりあえず、並ぶか?」
「だなー。俊哉、ちょっと3人で並んでて。俺先に整理券もらってくる。」
「わかった。」
整理券を代表者が人数分もらっていれば、並んでいるのは1人でもいいようだ。
しかし空夜たちは他に特に行きたいところもないので、とりあえず全員で並ぶことにした。
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