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~明希side~
「昴流が友達連れて来たいって……!」
嬉しそうにそう言う翔也は、出前のチラシをたくさん並べている。
さすがに急すぎて、夕飯は用意できないので出前を取ることにしたのだ。
「ふふっ、いつもの幼馴染組かと思ったら、別の子もって言うから驚いちゃいましたね。」
「ほんとだよ。でも俺、1人は知ってる子だった。前に合唱コンクールの打ち上げの後、送っていった子だったよ。」
「あぁ、昴流が助けたっていう?」
「そうそう。いい子だったよ。」
「家に呼ぶくらいに仲良くなったんだなぁ……」
「そうみたいだね。何がいいかな?やっぱりピザ?お寿司の方が喜ぶ?」
「うーん……空夜くんもいるから、確実にお金払いますって言ってくると思うんですよね。」
全額は支払わせるつもりは無いが、少しくらいは貰わないと押し問答になってしまう。
「あんまり高いものだとみんな気にしそうだし、ピザくらいでいいんじゃないかなぁ……」
「うーん、確かに……でもこれ、ピザ4枚頼んだら寿司頼んでるのと変わらなくない……?」
「確かに……でもピザの方が高校生にはいいんじゃ……?」
「そうかな……?じゃあピザ頼もうか。何時くらいに着くんだっけ?」
「さっき今から帰るってきてたから、もう頼んじゃっていいと思います。」
「OK、じゃあ注文しちゃうね。」
翔也がスマホで注文を済ませ、ジュースだけ買ってくる、とスーパーに出かけて行った。
掃除はちょうど今日したばかりなので、軽くテーブルだけ片付けてみんなの到着を待つ。
ピンポン、とチャイムが鳴った。
どうやら翔也が帰ってくるより早く着いたらしい。
「おかえり。みんなもいらっしゃい。」
「ただいま。」
「「お邪魔します。」」
昴流以外の3人にぺこっと頭を下げられ、思わずニコニコしてしまう。
「あれ、父さんは?」
「スーパーに買い物。すぐ帰ってくると思うよ。」
「ふーん……」
「あ、えっと、初めまして。霧谷京です。」
パチッと目が合った子がそう言って挨拶をしてくれる。
「初めまして、村田俊哉です。」
もう1人の子も名前を教えてくれた。
「初めまして。いつも昴流と仲良くしてくれてありがとう。」
「……なんか恥ずいからやめて。手洗うだろ?洗面所こっち。」
照れ隠しするように、2人を連れて洗面所に向かう昴流を見ながら、空夜と目を見合わせてくすくす笑う。
「俺も手洗ってきますね。」
「うん。」
空夜が後を追いかけていく。
そのすぐ後で玄関の鍵が開けられる音がした。
「お、もう来てた?」
「はい、さっき。」
翔也が帰ってきたのだが、その手に持っている荷物の量がすごい。
「ふふっ、買いすぎ。」
「そうかな?なんか高校生だしお腹空くかと思って……いろいろ買っちゃった。」
当初の目的のジュースと、数種類のお菓子、それからピザに合いそうなお惣菜。
確かに、ピザしか注文していないのは少なかったかもしれない。
「あ、父さんおかえり。」
「ただいま。昴流もおかえり。みんないらっしゃい。」
「本物……」
ぽかん、と翔也を見つめている俊哉がボソリと呟いた。
翔也には聞こえていなかったようだが、聞こえた昴流と明希は思わず笑った。
*
~昴流side~
翔也が用意してくれた惣菜をつまみながら、文化祭の話で盛り上がる。
あそこの出し物はよかったとか、自分たちの準備の話をしていると、チャイムが鳴った。
「お、ピザ来たかな?」
翔也が受け取りに行っているタイミングで、明希にみんなからもらった1000円と、自分の分を加えて4000円を渡す。
「全額は受け取ってくれないだろうから、これ。みんな1000円。」
「いらないよって言いたいところだけど、それだと気にするよね。恋にもなんか言われそうだし、貰っておきます。ありがとう。」
明希はくすくす笑いながらお金を受け取ってくれた。
「はい、お待たせー。」
ピザがやってきて、お腹すいたな、と急に感じる。
みんなでピザをつまみながら、今日の俊哉の行動についてに話が広がった。
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