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~昴流side~
「遅いぞー。」
「……なんか昴流テンション高くね?」
合流した新と陸玖に文句を言うと、新が怪訝な顔をした。
「そうか?」
自分ではそんな風には感じていないが、空夜が苦笑しているあたり、本当にテンションが上がっているかもしれない。
「ねーねーゲームしよ!」
「唐突……まあいいけどさぁ、俺ら一応霧谷とか村田とすげぇ仲良いわけじゃないんだから、ちょっと喋ってからにするべきじゃね?」
「えー、でもさぁ、ゲーム一緒にしてたら仲良くなれそうじゃん?」
「そもそも2人がゲーム好きかとか、どんなゲームできるのかわからんのになにすんだよ。大体昴流は大してゲーム持ってないだろ。」
「いやあるよ。まあ、新とかがやるゲームではないけど……」
「なになに?あー!カーレースのやつあるじゃん!これにしよ!」
「あーいいけど。」
陸玖が出してきたゲームは対戦形式のゲーム。
「それ俺前にやってた。できる。」
新も乗り気で、これは空夜もやったことがある。
京は恐らく初めてだろう。
「俊哉は?」
「は?なんで霧谷飛ばすん?やったことあるの?」
早くも準備を始めていた新がそう言って振り返る。
「いや、京はあんまりゲームしたことないから、多分初見かなって。」
「うわー、なんだその、仲良いアピールか??」
「は?違うが??」
「くくっ、俺はやったことある。」
「昴流くんの予想通り初見だよ。」
くすくす笑いながら俊哉が答え、京も笑っている。
「じゃあチーム戦にするか。空夜が普通くらいだから……」
新がポンポンと操作を進めて、みんなにコントローラーを渡していく。
「新強いんだし、京と組めよ。陸玖は……空夜とか?俺と俊哉……どうしよ、俊哉ってどんくらいできるの?」
「普通かな……」
「じゃあ、俊哉は双子の方。俺こっち入る。」
「わかった。」
チーム分けをして、まず1戦。
「まてまてまて、京くんのセンス良すぎる!昴流こっちきて!」
「いや、まだあと2戦あるから……とりあえずこれ終わってからな。」
ごねる陸玖を宥めて2戦。
新が強いことと京の初見にしてはうますぎるプレイングのおかげで圧勝してしまった。
「昴流こっち来てー!」
「はいはい……じゃあ俊哉あっちな。」
「わかった。」
今度は昴流と俊哉だけ交換して2回目のチーム戦にうつった。
*
~翔也side~
「仲良しだねぇ。」
「そうですね。」
明希とニコニコしながら皆の様子を見守る。
「あ、ばかばかばか!味方だろ!」
「やばいやばい落ちるー!」
「はい1位ー!」
楽しそうにゲームをしている様子を見ていると微笑ましい。
昴流がこんなふうに友達を連れてきて、家でにこにこしている様子を見るのは初めてで、それも翔也と明希にとっては嬉しいことだ。
もちろん、幼馴染の皆とは楽しそうに遊んでいることが多かったけれど、それ以外の友達を家に呼んだことはなかった。
「翔也さん、頬緩みすぎ。」
明希はそう言って苦笑した。
「え、そんなに?」
「うん、すごくニマニマしてる。昴流に見られたらうげって顔されそう。」
「やばいなぁ、顔に出ちゃう。」
昴流と仲直りできてからというもの、昴流が少し素直になった気がしている。
それが嬉しすぎて、すぐに感情が顔に出てしまう。
「やっぱ素直な昴流可愛いじゃん?素直じゃなくても可愛かったのに、素直になったら可愛いに決まってるじゃん?」
「はいはい、息子愛はそれくらいにして、そろそろみんな送って行ってあげてくださいね。」
「あ、ほんとだね。みんなー、そろそろ帰った方がいいんじゃない?送るよ。」
ちょうど区切りがついた皆に声をかけ、会をお開きにさせる。
「俺も行く。」
「え?昴流行く必要ないでしょ?」
「車乗れるでしょ?」
「まあ、乗れるけど……明日バイトじゃないの?」
「今話途中だから。」
「あ、そう……わかった。じゃあ先にみんな連れて車行ってて。」
「わかった。」
(そんなに皆と話したいんだ。)
またにやけてますよ、なんて言葉を背中に聞きながら、翔也もすぐに昴流の後を追った。
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