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〔 雪 side 〕
「 雅さん 、 お尻撫でないでくださ〜い 。 」
「 … やだ 。 」
「 嫌じゃないです 。 」
「 俺はお前が喰いたいって言った 。 」
「 それは違う意味の食べたいでしょ? 」
今日の雅さんは駄々っ子だ 。
いつもならこんなにベタベタしてこないし 、 僕のお尻を撫でる事もしない 。
もしかして欲求不満?
昨日もあれだけ僕のこと抱いといて?
イケメンは遅漏だけでなく絶倫も持ち合わせているのか 。 なんと恐ろしい世界だろう 。 これじゃあ僕の腰とお尻が死んでしまう 、 ネコに厳しすぎるよ 。
「 じゃあ 、 夜なら良い? 」
待て 、 と言われた犬のようなしょんぼりとした瞳 。 垂れた耳と尻尾が見える … 可愛い 。
「 お風呂入れて 、 ちゃんと掃除してくれます? 」
「 する 。 」
「 即答 … じゃあ良いですよ 、 たっぷり可愛がってください 。 」
全て雅さんの思い通り 。
しゅんとしたのだって計算でやってるんだろうし 、 僕が良いと言うのも分かってるはずだ 。
顔と声に負けてしまう僕も馬鹿だけど 。
ほら 、 そうやって嬉しそうな顔するから 。
少しぐらい腰がバカになっても良いやって思っちゃうじゃん 。
程よく焼き色のついた食パンにベーコンと目玉焼きを乗せて軽くブラックペッパーを振れば完成!
ジブリでありそうな食事の出来上がり〜 。
ベーコンとブラックペッパーの匂いに 、 僕のお腹がキュルルルっと鳴いた 。
お気に入りの珈琲をコップに入れて雅さんと向き合うように席に座り 、 二人でパチンと手を合わせる 。 ご飯は一緒に食べる事 。
これも 、 二人の約束 。
甘い食パンと塩っけのあるベーコンがマッチしていて 、 何度食べても飽きない 。その上に乗った目玉焼きは黄身がトロトロとしていて 、 お皿の上に垂れていく 。
雅さんも満足そうに頷いて 、 美味しそうに食べてくれてる 。 うん 、 幸せだ 。
また二人で手を合わせて 、 ご馳走様でした 。
時刻は六時半過ぎ 。 そろそろ準備しないとねって笑うと 、 今日もありがとうのキスをされた 。
雅さんのルーティーン 、 二つ目 。
「 ありがとう 」 は言葉とキスで表す 。
これは多分 、 雅さんがキスしたいだけだと思う 。
直ぐに食器を下げて弁当箱を取り出し 、 夕食の残り物や作り置きしていた煮物 、 少し冷めたお米にのりたまのふりかけを掛ければお弁当の完成 。
あまり手を掛けると食べずらいだろうから 、 少し手抜きしていたぐらいが良い 。
雅さんが着替えている間に洗濯物を干す 。
男二人分の洗濯物は少ない 。 だから間隔を開けて 、 今日みたいに天気の良い日はめいいっぱい乾かす 。
そうすると 、 服やタオルがふわふわになるのだ 。
ベッド周りに脱ぎ散らかった雅さんの服を回収してカゴに入れ 、 時間があれば二人でイチャイチャ 。
家を出る時間になったら行ってらっしゃいのキスでお見送りをして 、 重たい足を引きずって寝室に戻る 。
足枷に繋がった鎖をベッドの足に巻き付け 、 携帯のGPSを起動させて雅さんの帰りを待つ 。
これが 、 僕と雅さんの朝のルーティーン 。
幸せで暖かい日常 。
彼と出会って五ヶ月近く 、 この生活を続けている 。
でも監禁や誘拐といった類じゃない 、 同意の上なのだから同棲なんだ 。
この鎖も足枷も 、 雅さんを安心させる為 。
僕と繋がってる糸が切れないようにする為の 、 安心剤 。
たった一人 、 あの人に愛されるなら僕はどんな事でもする 。 そう誓っただけだ 。
何もおかしい事じゃない 。
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