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休日の過ごし方
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〔 雪 side 〕
今日は雅さんのお仕事が休みの土曜日 。
朝からイチャイチャしたかったのに 、 その相手は今も夢の中 。 昨日も夜遅かったし 、 仕方ないかな 。
そんな雅さんの腕に抱かれたまま 、 幼い寝顔を眺めた 。
滅べイケメン 。
「 雅さ〜ん 、 もうすぐでお昼ですよ〜 。 」
こそこそっと囁くと 、 機嫌悪そうに眉を寄せる 。
起きたのかと思ったけど 、 すぐに寝息を立ててしまった 。
お腹空いたよ 、 早く起きて 。
なんて思った所で通じる訳もなく 。
離してくれそうにない雅さんに抱かれて 、 スマホでゲームを始めた 。
最近のお気に入りはクラゲを育てるゲーム 。
雅さんみたいで可愛いから 、 飽き性の僕でも三ヶ月ほど続けられてる 。 みっちゃんって名前にした 。
「 …… 雪 、 」
餌をやったり水槽をキレイにしたり 。
みっちゃんを育てていると 、 聞き慣れた声で名前を呼ばれた 。 本物の雅さんご登場 。
まだ眠そうだけど 、 平日の朝よりお目目パッチリです 。
「 おはようございます 、 雅さん 。 見て 、 みっちゃんが大きくなりましたよ 。 」
「 みっちゃん … 誰 、 浮気? 」
「 も〜 、 寝惚けてます?クラゲです 、 クラゲのみっちゃん 。 」
すぐ浮気だ何だって騒ぐんだから 。
この前も同じやり取りしたのに 、 もう忘れたのかな 。
もしかして認知症?
「 あぁ 、 クラゲね 。 紛らわしい 。 」
「 ね 、 ちゃんと見てください 。 この前より二センチも大きくなったんです! 」
「 分かった分かった 。 」
こいつ朝から面倒臭いって顔してる 。
雅さん僕のスマホを押しやって 、 寝返りを打った 。
折角のお休みで嬉しいのは僕だけだったみたい 。
寂しくはないけど 、 悲しい 。
でも睡眠の邪魔をする訳にはいかないから 、 大人しくベッドから降りてリビングへと向かった 。
「 お昼ご飯 … 。 」
沈んでしまった心では考えるのも億劫で 、 作るのも面倒だと思ってしまった 。
こんなこと 、 今まで一度も無かったのにな 。
朝から夜遅くまで仕事もしてくれてるのは分かってる 。 だけど 、 僕だってお利口さんに待ってるんだ 。
少しぐらい 、 構ってくれても良いのに 。
戸棚から食パンを取り出して 、 焼くのも面倒なのでそのまま食べた 。 ジャムを付ければ良かったと後悔したけど 、 そんな気にもなれなくて 。
「 雅さんのバカ 。 」
ぽつりと零れた言葉は 、 シンとした家によく響いた 。
「 誰がバカだって? 」
もしゃもしゃ食パンを食べていると 、 寝室から出てきた雅さんがこれまた不機嫌に僕の元へと歩いてくる 。
なんだよ 、 僕のことなんか放っておいて寝てればいいのに 。 そう言葉にしたくても 、 口に詰まった食パンのお陰で何も言えない 。
「 おいこらぁ〜 、 もっかいバカって言ってみ? 」
そんな僕を見計らって 、 真正面から抱き締めにくる 。
いつも僕が落ち込んだり拗ねたりすると 、 こうやって笑わせに来てくれるから憎めない 。
「 雅さんのバカ 、 バカバカ 。 大好き 。 」
「 はいはい 、 雅さんも雪くんのこと大好きよ〜 。 」
あ 、 食パンのクズが付いてる 、 汚い 。
誰が洗濯すると思ってるんだろう 、 辞めてよね 。
なんて思いながら身体は素直なもので 、 雅さんの大きな背中に手を回していた 。
寝起きだから暖かい 、 眠くなりそう 。
「 雅さん 、 おはようございます 。 食パン食べます? 」
「 おはよ 、 ちゃんと焼いてね 。 」
「 面倒なのでこのまま食べてください 。 」
「 何で俺の扱いが時々雑になるの? 」
「 大好きですよ 、 雅さん 。 」
「 お前 … この後覚えてろよ? 」
そんなこと言って 、 ちゃんと優しく抱くくせに 。
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