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雅さんという人
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〔 雪 side 〕
雅さんという人は 、 すごくイケメンで包容力のある大人な人だ 。 そして変態でもある 。
ただカッコイイだけじゃなくて 、 チラリと見せる弱さや女々しさが 、 更にカッコ良さを引き立たせるんだと思う 。
僕は両親に愛情を貰えなかったから 、 雅さんからの愛情をたくさん貰って大人になる 。
その愛は重たくて 、 ドロドロに甘いんだろうな 。
それから 、 すごく嫉妬深くて独占欲が強い 。
スマホで育ててるクラゲのみっちゃんにも嫉妬するし 、 エッチする時は必ずキスマークと噛み跡を残す 。 それから 、 僕が一人で家にいる時は足枷を付ける 。
それを苦痛だと思ったことはないし 、 嫌だとも思わない 。 ただクラゲに嫉妬するのはやり過ぎでは?と思う 。
そして 、 絶対に僕が嫌がる事はしない 。
乱暴に抱かれた事もないし 、 僕が嫌だと言えばエッチもしないで我慢してくれる 。
そんな優しい人と出逢えて愛されて 、 すごく幸せ 。
でもこの幸せが長続きする保証なんてどこにもない 。
今日は愛し合っていても 、 明日には嫌われてるかもしれない 。 どちらかが怪我をしたり 、 事故に巻き込まれて死んでしまうかもしれない 。
明日が必ず来るとも言えないけど 、 雅さんがずっと僕を好きでいてくれるとも限らないわけだ 。
「 …… いや 、 雅さんが僕を嫌う事は無いな 。 」
そう言いきれる自信がある 。
雅さんと僕は 、 似ていないようで似てる 。
誰かに必要とされたい 、 愛されたい 。
だからお互いにお互いを必要として 、 依存する 。
「 僕も 、 雅さんを嫌う事はないなぁ … 」
ポツンと置かれたミニテーブルにスマホを置き 、 雅さんからのメッセージに返していく 。
ほんとに仕事してるのかな … 。
雅さんが僕を必要としてくれなくなった時は 、 スパッと諦めてしまおう 。
そして雅さんと出会った道で 、 僕は命を投げ出す 。
僕が死んでしまった事で雅さんを絶望へと落とせるのなら 、 きっと満足できる 。 未練もない 。
ピロン 、 と鳴ったスマホの待ち受けには雅さんの寝顔 。
少し幼くて綺麗なこの顔は 、 きっと僕しか知らない顔なんだろう 。
夜は僕の方が先に寝てしまうけど 、 朝はこの顔を眺めてられるんだ 。
愛しい人の無防備な顔って 、 ほんとに愛しい 。
初めてそう思えたことが 、 何よりの幸せだと思う 。
「 雪 、 俺のこと好き? 」
「 みっちゃんって誰 、 浮気? 」
「 … 煮物 、 しょっぱ 。 」
「 やばい雪が俺の服着てる可愛い 。 」
「 愛してるよ 。 」
色んな雅さんが居て 、 色んな僕が居る 。
雅さんが居なかったら今の僕はいないんだ 。
出逢ってくれた事も 、 生まれてきてくれた事も 。
色々な事に感謝 。
いつまでも貴方の傍で笑っていられますように 。
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