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〔 原田 side 〕
雪くんがお風呂に入ってる間 、 太郎に夜ご飯の相談をした 。 俺は自炊なんてする方じゃないから 、 大したものは作れない 。
太郎は鳴くだけで 、 俺のことなんて見向きもせずにソファで丸くなった 。
薄情だな 、 相棒よ 。
お風呂の方からシャワーの音がすると 、 安心してリビングに戻ることが出来た 。
途端に聞こえる 、 着信音 。
すぐに分かった 。
雪くんのスマホのディスプレイには 、 『 雅さん 』。
着信があったから折り返したのだろう 。
しかし最悪にも雪くんは入浴中 。
このまますれ違うのも大変だろうと 、 心の中で雪くんにごめんねと呟いてから応答のボタンを押した 。
『 雪 、 今どこにいる 。 迎えに行くから 、 そこで待ってろ 。 』
甘い 、 それでいて優しい声 。
ほんとに雪くんのことが大好きなんだろう 。
「 もしもし 、 原田です 。 」
『 …… 誰だお前 。 』
瞬間的に殺意を持った低い声へと変わる 。
ほんとに人でも殺しかねないじゃないか 。
怖い怖い 。
とにかく誤解を解かなきゃ 。
「 お兄さん 、 勘違いです! 」
『 あ?何が勘違いだ 、 誰だって聞いてんだよ 。 』
「 凍えそうな雪くんを保護した 、 冴えない大学生です 。 雅さん 、 ですよね? 」
『 保護? 』
心当たりがある雅さんは 、 大人しく俺の話を聞いてくれた 。
こうなった経緯も話してくれたし 、 意外とこの人はいい人なんだろう 。 雪くんが好きになるはずだ 。
ガチャ 、 と浴室の扉が開いた音が聞こえる 。
「 とりあえず雪くんをお風呂に入れました 。 ご飯は 、 食べさせて大丈夫ですか? 」
『 いや 、 すぐに向かいに行く 。 飯は外で食べよう 、 君にお礼を言いたい 。 』
「 分かりました 、 雪くんにも話しておきますね 。 」
『よろしく頼む 。 』
「 じゃあ 、 住所送るので早く来てください 。 可愛い雪くんが見れますよ 。 」
『 …… 分かった 。 雪に触るなよ 、 指一本 。 』
牽制しなくても鬼のような雪くんの後ろにいると分かれば 、 誰も触らないっての 。
どんだけ余裕がないんだよ 。
前言撤回 、 優しくはない 。
きっとこの人は雪くんが居れば後はどうでもいいって感じの人だ 。 間違いない 。
「 大丈夫ですって 。 」
『 待ってろ 。 』
その一言で通話が切れた 。
待ってろって 、 どんだけ暴君なんだろ 。
声を聞くかぎり俺より年上みたいだし 、 かなり大人っぽい感じがした 。 声も色気たっぷりって感じ 。
可愛い雪くんにピッタリの相手だ 。
「 原田さん 、 お風呂ありがとうございました 。 」
俺が持っていた小さめのシャツを纏った雪くん 。
これから君の好きな人が来るって聞いたら 、 どんな反応をするだろう 。
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