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〔 雪 side 〕
一人で不貞腐れる僕を置いて 、 雅さんと原田さんは玄関に向かった 。 仲良さげな二人の背中を 、 黙って着いていく 。
普通さ恋人が居るのに他の人とイチャイチャする?
雅さんも満更でもない感じだし 。
何だよ 、 見せつけちゃって 。
むっと唇を尖らせたまま靴を履いて 、 薄着のまま外に出た 。
真冬の寒さにブルっと震える 。
「 駅の方で良い? 」
「 どこでもいい 、 オススメの店は? 」
「 駅沿いのお店がオススメかな 、 何回か行ったことあるし案内できそう 。 」
「 了解 。 」
何となく疎外感を感じて 、 二人から少し離れた後ろを歩いた 。 胸が苦しくて仕方なくて 、 どこでも良いから隠れたい気分 。
このまま僕が消えても気付かないかも 。
だって 、 雅さんには原田さんみたいに背が高くてイケメンで 、 気さくな人が似合いだもん 。
嘘は付かない 、 約束はちゃんと守るような人 。
お願いだから 、 僕を見てよ 。
「 雪 、 寒いだろ 。 早く乗ってごらん 、 暖かいから 。 」
優しくて甘い 、 雅さんの声 。
いつもの様に助手席の扉を開けて 、 待っててくれる 。
それがすごく嬉しくて 、 原田さんに譲りたくなくてすぐに駆け寄った 。
まだ僕の居場所がある 。
大好きな声で 、 名前を呼んでもらえる 。
「 雪くん 、 雅さんったら惚気しか言わない 。 」
「 あ?当たり前だろうが 。 」
「 さっきから雪くん雪くんって 、 そればっかりなんだよ?もう本人に言えって感じ 。 」
「 …… そうなの? 」
助手席に乗り込むと 、 雅さんは僕の頭を撫でてから扉を閉めた 。
いつの間にか後ろに乗っていた原田さんが身を乗り出して 、 僕の髪を弄りながら言う 。
最後に車に乗り込んだ雅さんが 、 僕の頭を引き寄せて口付ける 。 原田さんが見てる前で 、 唇に 。
全く嫌じゃなくて 、 雅さんに愛されてるんだって思うと冷えた心がじんわりと溶けていく 。
「 惚気けて何が悪いんだろうな 、 雪 。 」
「 ……??? 」
あまりにも優しく笑うから 、 首を傾げた 。
だっていつもの雅さんより甘ったるいんだもん 。
原田さんオススメの焼肉屋さんに入ってからも 、 雅さんはずっと僕の隣をキープしてた 。
たまにお肉を焼く僕の頭を撫でる 。
久しぶりすぎて恥ずかしいような気もしなくない 。
「 雪くんも雅さんのこと大好きだけどさぁ 、 雅さんも雪くんのことめちゃくちゃ大好きだよねぇ〜 。 」
「 見れば分かんだろ 。 」
「 別れ話とかした事ないの? 」
「 しねぇよ 、 別れたいと思ったことねぇし 。 それは雪もだろ? 」
「 … へ?うん 。 」
「 ほらな 。 」
「 あ〜甘ったるい 、 胸焼けするわほんと 。 」
お酒が入った原田さんはとにかく雅さんに絡んだ 。 自然な流れで惚気させてるし 、 楽しんでくれてるみたいで安心 。
雅さんもそんな原田さんのことを分かってるから 、 好き放題させてあげてるんだと思う 。
二人とも優しすぎるんだよ 。
「 早く家に帰ってニャンニャンしなよね〜 。 」
「 お前が帰れば出来るんだよ 。 」
「 雅くんにスケベなことするつもりなんでしょ 。 やだねぇ 、 絶倫男は 。 」
優しいけど変態なのはどうかと思います 。
焼肉屋さんでする話じゃないから 。
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