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〔 雪 side 〕
家の中に入ると 、 少し散らかった室内が目に入った 。
衣服はもちろんのこと 、 トイレやお風呂の扉も全て開けっ放し 。 強盗でも入ったかのような部屋だった 。
どうしたらこんなに散らばるんだろう 。
そう思って振り返ると 、 バツが悪そうに雅さんはそっぽを向いた 。
「 …… 雅さん 、 これはどういう事ですか? 」
「 ………… 知らねぇ 。 」
あからさまな嘘に 、 僕の眉間がピクリと反応した 。
何を隠してるのか知らないけど 、 この散乱の仕方は許せない 。
何も喋らず散らかった服を回収し 、 ついでに洗濯機を回す 。 空きっぱなしの扉を閉めて回って 、 リビングとキッチンに掃除機をかける 。
その間 、 雅さんはジッと待っていた 。
いつも通りの綺麗な部屋になると 、 満足した僕にゆっくりと近付いてぎゅうっと抱きしめる雅さん 。
「 わ 、 どうしたんですか? 」
「 … おかえり 、 雪 。 」
いつもの俺様で変態な雅さんじゃない 。
弱くて臆病な 、 僕にしか見せない雅さんだった 。
こんなに素直に甘えることなんてないから驚いたけど 、 可愛いところもあるなぁと抱きしめ返す 。
滅多に言われない 、 雅さんからのおかえりに応えた 。
「 ただいま 、 雅さん 。 出張 、 お疲れ様です 。 」
「 予定より少し長引いたけどな 。 」
「 楽しかったですか? 」
「 雪が居ないと何をしてもつまらないよ 。 」
「 次は旅行で行きましょう 、 きっと楽しいですよ 。 」
愛しい人の傍で笑えることが何よりの幸せ 。
そう思えた僕は 、 雅さんと離れたことで少し成長したのかもしれない 。
ほんの少しの成長だけど 、 確実に変わってる 。
「 浴衣エッチ 。 」
こんな時に真剣な顔して床事情を出してくる雅さんは 、 ちっとも成長していないみたいだけどね 。
一緒にお風呂に入りたいと駄々を捏ねる雅さんを連れてお風呂に入り 、 髪を乾かせとドライヤーを持ってきたので乾かしてやり 、 俺のことを抱き枕にしろと言うので僕の胸に雅さんの頭をピッタリとくっ付けて布団の中に入った 。
欲求を満たされた雅さんは満足そうで 、 珍しくも腕の中でジッとしている 。
よしよしと頭を撫でたら子供扱いするなと怒りながらも頭を擦り付けてきたので 、 天邪鬼なところも可愛いですよ〜なんて言いながら頭を撫で続けた 。
「 雪 、 おかえり 。 」
「 またですか?ただいま 、 雅さん 。 ここに居ますからね 。 」
「 うん 。 」
「 おやすみなさい 。 」
「 やだ 、 おやすみすんな 。 」
頼むから寝てくれ 。
ウザイほどに絡んでくる雅さんに苦笑して 、 眠さで重くなる瞼を閉じた 。
僕だってここに戻ってこれたのは夢のようだって思ってるけど 、 もう眠いんだよ 。
病院であれだけ寝たのに 、 不思議だよね 。
だから雅さん 、 一緒に寝ましょ 。
お尻とおっぱいも触らないで 、 大人しくしてて 。
「 …… おやすみ 、 俺の雪 。 」
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