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〔 雪 side 〕
もう 、 意味が分からない 。
雅さんが怒ってる理由も 、 山崎さんばかりを心配する理由も 、 叩かれた理由も 。
だって 、 我慢してた 。
ベタベタ触られてる時だって 、 一番に心配したのが山崎さんだった時だって 。
全部 、 我慢してたのに 。
「 …… ごめんなさい 。 」
いつだってそう 。
僕ばっかりが我慢して 、 僕ばっかりが悪者 。
両親と居た時も 、 ずっと我慢してた 。
痛いことも辛いことも 、 やりたいことだって 。
いつまで我慢してればいいの?
僕の何がダメなの?
どうして叩くの?
不意に思い出す 、 両親との時間 。
叩かれて蹴られて 、 レイプされて 。 辛くて逃げ出したかったはずの日常を 、 少し恋しく思った 。
雅さんと一緒に居れて嬉しいはずなのに 。
「 ごめん 、 なさい 。 僕が 、 悪かったんですよね 。 分かってます 。 我慢 、 できなくて 。 うるさくして 、 ごめんなさい 。 ごめんなさい 、 ごめんなさい … ごめ 、 なさい 。 」
ごめんなさい 。
へっちゃらだよって笑えば 、 楽しいままの時間で終わったのに 。 僕が我慢して言い返さなければ 、 山崎さんも怪我しなかったのに 。
『 雪は悪い子ね 』
そう 。 僕はずっと悪い子 。
生まれてきた瞬間から 、 ずっと悪い子なんだよ 。
いい子にならなきゃ誰も必要としてくれないって分かってたのに 。 幸せすぎて見失ってた 。
母さんの言う通りだね 。
「 雪 、 お前 … 。 」
雅さんの声から逃げるように 、 涙を隠すように 、 引っ越してきてから一度も使ったことがない自分の部屋に篭った 。
もしも別れようって言われたら 。
嫌いって言われたら 。
僕は生きていける気がしないんだ 。 逃げてばかりじゃダメだけど 、 今は無理なんだよ 。
少し 、 あきらめたいって思っちゃったんだ 。
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