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〔 雅 side 〕
明日から母さんが家に来てくれることになり 、 しばらくの食費は父さんが出すと言った 。
学生じゃないしそこまではするなと言ったが 、 これぐらいしかやれることは無いから甘えておけと怒られてしまった 。
雪は母さんと夜ご飯を作りにキッチンへ向かう 。
今日はキムチ鍋らしい 。
二人になった俺と父さんは 、 近況を話し合う 。
「 へぇ 、 父さんも大変なんだな 。 」
「 それなりにな 。 お前も上の立場なんだ 、 背負ってるものは一緒だろ 。 」
「 俺は雪のために働いてるだけだから 。 」
俺の独り言ともいえるその言葉に 、 父さんは目を見開く 。 そして 、 小さく頷いた 。
頷いた訳は分からないけど 、 なんか考えているんだろう 。
「 あら 、 雪くん上手ね〜 。 」
「 いつもやってて … 雅さん 、 美味しいって言ってくれます 。 」
「 そうなの … あの子ったら 、 雪くんに任せっきりにしてないかしら? 」
「 …… それが嬉しいので 。 」
ガンガン攻める母さんと 、 控えめで可愛い雪の声 。
なんだか俺まで擽ったくなって 、 新聞を読み始めた父さんを放置して二人の元へ向かった 。
鍋用にキャベツを切る雪の隣に立つ 。
「 雪 、 楽しいか? 」
雪は考えるように俯いてから 、 大きく頷く 。
何度も何度も頷いて 、 俺の肩に擦り寄ってきた 。
「 すごく幸せ … 僕も 、 こんなお母さんが良かったな 。 」
「 …… ふふ 、 そうねぇ 。 こんなに可愛い息子がいたら私も鼻が高いわぁ 。 」
やっぱり 、 雪も両親のことを考えていたらしい 。
でもトラウマを引き起こす出来事ではなくて 、 ただ単純に楽しんでいるだけのようだ 。
母さんはニコニコと笑って嬉しそうだ 。
「 お父さんは 、 雅さんにそっくりですね 。 」
「 そうでしょ?小さい頃からそっくりで 、 産まれてきた時はビックリしたわ 。 」
「 とってもかっこよくて 、 暖かいお父さんです 。 初めて会ったのに 、 お父さんもお母さんも大好きになりました 。 」
「 …… まぁ 、 嬉しい 。 私たちも 、 雪くんのことが大好きなのよ 。 だから 、 何も気にせず私たちを頼ってね 。 」
父さんは聞こえてないふりしてるけど 、 肩が震えてるから泣きそうなの我慢してるんだろう 。
母さんは嬉しすぎて頬が緩みっぱなしだ 。
「 もちろん 、 雅さんも 。 僕のためにありがとうございます 。 僕 、 雅さんと出会った時からず〜っと大好きです 。 」
ここが実家じゃなければ押し倒してるのに 。
ムラムラを抑えて 、 ありがとうと頭を撫でた 。
雪は嬉しそうに微笑んで 、 腫れが収まった手で俺の頭を撫でる 。 撫で合う俺たちを横目に 、 母さんがクスクスと笑った 。
幸せな家庭 。
これが 、 雪に見せたかったものだ 。
両親は殴らないし 、 怒鳴らない 。 子供に性的暴行もしない 。
これが普通の家庭なんだと知って欲しかった 。
優秀な部下二人には美味しいケーキでも買ってやらないと 。 明日から仕事に追われるが 、 少し心が軽くなった気がする 。
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✱お知らせ✱
鍵付き公開中の 「 隣にいてもいいですか 」 を全体公開に変更することになりました!!
私自身が思っていたよりも執筆が捗り 、 鍵付き公開にするのは勿体ないな…と思ったので変更させていただきました。
ご要望やご意見、ご指摘がありましたらお気軽にコメントをお願いします!
もちろん、「こんなシチュエーションを書いて欲しい」や、「こういう短話が読みたい」などがありましたらそちらも受け付けております( ¨̮ )
皆さんの貴重な声をお待ちしております!
これからも宜しくお願いします( ◡̈)ง
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